相続と証券口座

受け取り方

残された人が、いちばん困る手続き

どういう制度?

口座の名義人が亡くなると、その口座は凍結され、売買できなくなります。相続人が手続きをして、自分の口座へ移管してから売却する流れになります。現金化してから分けることはできません。

使うとどうなる

移管された株式は、被相続人が買ったときの取得価額を引き継ぎます。したがって、後で売却したときには、亡くなった人の買値からの値上がり分に課税されます。相続税とは別の話です。

手続きと期限

戸籍謄本や遺産分割協議書など、多くの書類が必要になります。数週間から数か月かかることも珍しくありません。相続人が証券口座を持っていない場合は、まず口座開設からになります。

注意(変わりうるところ)

NISA口座の資産は、相続時に非課税ではなくなります。相続人の課税口座へ移り、そこから先の利益には課税されます。そして最大の問題は、家族がどこの証券会社に口座があるか知らないことです。どの金融機関に何があるかを1枚にまとめておくだけで、残された人の負担はまったく変わります。

確認先(一次情報)

各証券会社の相続手続き案内、国税庁(相続税・譲渡所得)、法務局(法定相続情報証明制度)。

解説動画: 【資産運用】認知症になったら、運用資産はどうなる?│投資Q&A/金融経済教育推進機構 (J-FLEC) チャンネル

判断できなくなったときの制度: 自分が認知症などで運用の判断ができなくなった場合に、家族が代わりに株式を売却して入院費に充てられる仕組みはあるか——答えは成年後見制度。財産の管理、遺産分割の協議、介護サービスや施設入所の契約を自分で行うのが難しい人を保護し支援する制度だと説明される。

悪質商法の話とつながっている: 判断能力が不十分になると悪質商法の被害に遭うおそれもあることが、制度が要る理由として挙げられている。財産の話と消費者被害の話が地続きであることが分かる。

どこに聞くか: 制度の詳細は法務省のホームページか法律の専門家へ。実際の取引に関わることは金融機関に相談する、と窓口を分けて案内している。