取得単価(平均取得価額)

税金の計算

変わりやすさ: 骨格は安定

いくらで買ったことになっているか

どういう制度?

同じ銘柄を何回かに分けて買い、一部を売るときの取得費は、総平均法に準ずる方法で出した1単位あたりの金額に売った数をかけて求めます。国税庁の式は(A+B)÷(C+D)で、Aは最初の購入時(すでに売ったなら直前の売却時)の購入額、Bはその後の購入額、C・Dはそれぞれの株数です。1円未満は切り上げです。米国では先入れ先出しや、売る株を指定する方式もあると、Investopedia(YouTube)は説明します。

使うとどうなる

国税庁の設例は、800円で5,000株、850円で2,000株を買い、900円で3,000株を売る場合です。(400万円+170万円)÷7,000株は814円台で、切り上げて815円。取得費は815円×3,000株=244万5,000円で、売却額270万円との差の25万5,000円から、委託手数料などを引いたものが譲渡所得です。値下がり時に買い足すと平均は下がります。

手続きと期限

取得費には株の代金のほか、購入手数料(消費税を含む)や名義書換料など、取得に要した費用も入ります。買値が分からない株は、売却代金の5%を取得費にできます(300万円で売ったなら15万円)。相続や贈与で受けた株は前の持ち主の取得費を引き継ぎますが、NISA口座から払い出された株は、相続開始日または贈与の日の終値で取得したものとみなされます。

注意(変わりうるところ)

同じ銘柄を複数の証券会社で持つと、取得単価はそれぞれの口座で別々に計算されます。投資信託は、課税の基準になる買値(個別元本)を、複数回買った分の移動平均で計算すると投資信託協会は説明しています。また、売却して買い直すと平均取得価額は新しい価格になります——含み益を確定させると、次の値上がりに対する課税の基準が上がります。買値を「戻ったら売る」の基準に使うのは、心理の罠です(処分効果)。

確認先(一次情報)

国税庁のタックスアンサー、証券会社の取引明細と特定口座の説明。

出典

  1. 公的機関 国税庁 No.1466 同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入している場合の取得費
  2. 公的機関 国税庁 【確定申告書等作成コーナー】-2回以上にわたって取得した同一銘柄の株式等を譲渡した場合の取得費の計算について
  3. 公的機関 国税庁 No.1464 譲渡した株式等の取得費
  4. 公的機関 国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)
  5. 公的機関 投資信託協会 個別元本方式のポイント
  6. 動画・英語 Investopedia Investopedia Video: Cost Basis Basics

解説動画: 【初心者向け】知らないままだと損する「平均取得単価」の本当の意味【儲けるための基礎知識】/なまけものチャンネル / 20代怠け者

定義そのもの: 証券会社の説明では「売却までの期間に買い付けした株式の買付代金(手数料を含む)を平均化した価格」。もう少し噛み砕くと、1株を買うのに実際にかかったお金の平均値のこと。

何が決まるか: この数字が、自分の画面に表示される損益率の基準になっている。高いとどうなるのか、低いとどうなるのか、下げたほうがいいのか——その意味を知らないまま眺めている人が多い、という問題意識から始まる。

なぜ意味を知る必要があるか: 平均取得単価は自分の過去の買い方が作った数字であって、市場が決めた数字ではない。この区別が付くかどうかで、売買の判断の質が変わる。