攻略 | オトモドリンク&イーツ

見た目・におい・味の順で確かめる手順。

確かめる順番は、見た目・におい・味で決まっています。先に口へ入れると、取り返しが付きません。悪いにおいや異臭のする仕込みは味見をせずに捨てるのが原則です(米国バージニア工科大学の発酵野菜の資料)。表面にカビがある・ぬめりがある・悪臭がする場合も、味見はしません(ペンシルベニア州立大学の資料)。遠くから分かる手がかりから順に当たり、最後まで引っかからなかったものだけを口へ運びます。

最初に見るのは表面です。白いものが出ていても、ふわふわしておらず丸い斑点にもなっていない白い膜は産膜酵母で、野菜では珍しくなく安全です(イリノイ大学の資料。→白い膜(産膜酵母))。毛羽立った綿のような姿や、青・黒・赤・緑に色付いた丸い斑点は別物です(→カビ(青・黒・赤・緑)、味噌の表面のカビ)。問題になるカビ毒はアフラトキシン・オクラトキシン・シトリニンで、大豆を原料にする発酵食品は汚染を受けやすい側です(東南アジアの発酵食品のカビ毒をまとめたレビュー、Owolabiら、2022年)。

白い膜(産膜酵母)
白い膜(産膜酵母)写真: Simon Mannweiler / CC BY-SA 4.0
カビ(青・黒・赤・緑)
カビ(青・黒・赤・緑)写真: The original uploader was Maestrosync at English Wikipedia. / Public domain
味噌の表面のカビ
味噌の表面のカビ図: オトモシリーズ

表面の次は、質感と色とガスを見ます。やわらかく崩れている・ぬめって糸を引くものは、バージニア工科大学もペンシルベニア州立大学も捨てる側に置いています(→糸を引く・ぬめる(納豆以外で))。ピンク・茶・黒への変色は、空気に触れる環境で腐敗を進める菌が増えた印とされます(→赤・ピンクのぬめり)。ただし黒ずみには器具の側の原因もあり、米国の家庭食品保存センターは真鍮・銅・亜鉛の器具で漬けた漬物を食べないよう注意しています(→黒い点・黒ずみ)。気泡が止まったときが通常の発酵の終わりで、ふたを押し上げるほどのガスは進みすぎの側です(→容器がふくらむ・ガスが出る)。気泡も酸味も出ないままなら、捨てる話ではなく進んでいない側で、15℃を下回ると発酵しないことがあります(ペンシルベニア州立大学。→発酵が進まない・ふくらまない)。

赤・ピンクのぬめり
赤・ピンクのぬめり写真: Dbn / CC BY-SA 3.0
容器がふくらむ・ガスが出る
容器がふくらむ・ガスが出る図: オトモシリーズ

次は、ふたを開けて嗅ぎます。バージニア工科大学は、腐った野菜や酸敗した乳製品のようなにおいが出た発酵キュウリを、酸が減って乳酸が消える二次発酵の例として挙げています(→腐敗のにおい(酸味との違い))。ぬめるものや腐ったにおいがするものも捨てます(イリノイ大学)。シンナーのような刺激や、靴下やアンモニアに似た異臭も、酸味とは別の手がかりです(→シンナーのような匂い、糠床の異臭(靴下・アンモニア))。

見た目とにおいを通ったものだけ、ごく少量を口に入れて舌で確かめます。酸味そのものは乳酸菌が働いた印で、酸っぱすぎるかどうかは好みと進み具合の話です(→酸っぱくなりすぎた)。唇や舌先にピリピリした刺激を感じたら、食べるのをやめて処分します。ヒスタミンを高濃度に含む食品は、口に入れたときに通常と異なる刺激を感じることがあり、一度できたヒスタミンは加熱しても減らないため、火を通して食べる手は使えません(消費者庁。→口に入れてしびれる・刺す、ヒスタミン(加熱しても消えない))。原因食品は赤身魚が中心ですが、味噌・醤油・納豆もヒスチジンを含む食品に挙がっています。症状が出たときは、速やかに医療機関へ相談してください。

ヒスタミン(加熱しても消えない)
ヒスタミン(加熱しても消えない)写真: Gaztarrotz / CC BY-SA 4.0

3つの確認をすり抜ける相手もいます。ボツリヌス症を起こす毒素は、見ることも嗅ぐことも味わうこともできず、毒素を含む食品をわずかに味見するだけでも命に関わる相手です(米国疾病対策センター。→ボツリヌス菌(最も注意すべき相手))。芽胞は100℃数分間の加熱でも生き残ることがあり、1歳未満の乳児にはちみつを与えてはいけません(消費者庁)。安全に仕込めたか分からないものは食べないのが前提で、イリノイ大学も疾病対策センターも、迷ったら捨てると同じ言葉で締めています。

ボツリヌス菌(最も注意すべき相手)
ボツリヌス菌(最も注意すべき相手)写真: Content Providers: CDC / Public domain

出典

  1. 公的機関・英語 Eifert JA, Boyer RR, Williams RC(Virginia Tech)(2025) Vegetable Fermentation
  2. 公的機関・英語 Hirneisen A, Zepp M, LaBorde L(Penn State Extension)(2023) Let's Preserve: Fermentation - Sauerkraut and Pickles
  3. 公的機関・英語 University of Illinois Extension Fermenting FAQ
  4. 公的機関・英語 National Center for Home Food Preservation(University of Georgia) Causes and Possible Solutions for Problems with Fermented Pickles
  5. 公的機関・英語 Centers for Disease Control and Prevention Preventing Botulism
  6. 公的機関 消費者庁 ハチミツによる乳児のボツリヌス症
  7. 公的機関 消費者庁 ヒスタミン食中毒
  8. 論文・英語 Owolabi IO, Kolawole O, Jantarabut P, Elliott CT, Petchkongkaew A(2022) The importance and mitigation of mycotoxins and plant toxins in Southeast Asian fermented foods