見分けの言葉図鑑
葉序(葉の見方)
葉序は、枝の一節から葉が何枚出るかの呼び名です。互生・対生・輪生の三つに分かれ、林野庁関東森林管理局の「植物用語図解」も、この三つを図で並べています。葉序は、一つの節から葉が何枚出て、次の節とどうずれるかをまとめた言い方です。一節に一枚が互い違いにつくのが互生、一節に二枚が向かい合うのが対生…
単葉と複葉(葉の見方)
小葉が並ぶ小枝に見えるものが、葉一枚のことがあります。切れていない一枚が単葉、複数の小葉に分かれたものが複葉で、境目は付け根の腋芽で切ります。複葉は、一枚の葉が複数の小葉に分かれたもので、小葉を並べる軸を葉軸、葉軸と枝をつなぐ柄を葉柄と呼びます。小葉が葉軸の左右に並ぶのが羽状複葉…
鋸歯(葉の見方)
葉のふちのギザギザには、細かい呼び分けがあります。突起のある鋸歯縁と切れ目のない全縁に分かれ、大小の重なりや先端の形まで見分けの材料になります。鋸歯は、葉のふちに並ぶのこぎり状の小さな突起です。突起のあるふちが鋸歯縁、なめらかなふちが全縁で、大小の鋸歯が入れ子になったものを重鋸歯…
葉脈(葉の見方)
葉に走る脈の並び方には、決まった型があります。羽状脈・掌状脈・三行脈・平行脈の別があり、街の木では三行脈が最もよく効く手がかりになります。葉脈は、葉身の中を通る維管束の筋で、並び方に呼び名があります。中央の主脈から側脈が羽のように出るのが羽状脈、基部から数本の主脈が手のひら状に出るのが掌状脈です。…
托葉(葉の見方)
葉の付け根に、小さな一対の付属物がつくことがあります。これが托葉で、葉が開いても残る木と早く落ちる木があり、落ちた跡も枝に残ります。托葉は、葉柄の基部につく一対の小片です。形は木ごとに違い、鱗状・糸状・葉状のほか、左右がつながって芽を包む筒になるものもあります。葉が開いたあとも残るものを宿存性…
葉柄(葉の見方)
葉と枝をつなぐ柄にも、見どころがあります。長さや断面の形、翼の有無、毛の付き方に加えて、柄そのものに蜜を出す腺がのる木もあります。葉柄は、葉身と枝をつなぐ柄の部分で、これを持たず葉身が直接枝につく形は無柄と呼びます。長短のほか、断面が丸いか扁平か、両側に薄い翼が張り出すか、毛や溝があるかが見どころです。…
葉の切れ込み(葉の見方)
葉のふちが深く切れ込む形には、段階の呼び名があります。浅裂から全裂まで深さで分かれ、同じ木でも枝や樹齢で変わるのがこの形質の要点です。葉の切れ込みは、葉身のふちが中心へ向かって割れ込む形を指します。深さで呼び分け、浅く切れるのが浅裂、中ほどまでが中裂、主脈の近くまで届くのが深裂、主脈に達して分かれるのが全裂です。…
常緑と落葉(葉の見方)
冬に葉があるかどうかで、図鑑は大きく二つに割れます。ただし常緑は葉を落とさないという意味ではなく、落とす時期と一枚の葉の寿命が違うだけです。常緑と落葉は、一年を通して葉のある姿か、季節ごとに葉を落として枝だけになる姿かの区別です。常緑は葉を落とさないという意味ではありません。一枚の葉が一年以上生き…
冬芽(枝と幹の見方)
葉の落ちた枝先には、来春の枝と花が畳まれています。札幌市博物館活動センターの観察シート「冬の木の観察」は、芽の並び方、形、色、硬さの順に見ていくと案内しています。冬芽は、夏から秋のうちに作られ、冬を越して春に枝や葉、花になる芽を指します。読みは「とうが」と「ふゆめ」の両方が使われます。…
葉痕(枝と幹の見方)
葉が落ちた枝には、柄のついていた跡が残ります。輪郭の形と、その中に並ぶ点の数と配置で木を絞る見方で、札幌市博物館活動センターの観察シートも冬の観察項目に挙げています。葉痕は、葉柄が枝から離れたあとに残る跡です。葉が落ちる前に葉柄の付け根で離層ができ、そこで切れた断面がそのまま模様になります。…
皮目(枝と幹の見方)
幹に並ぶ点や横線は、傷ではなく空気の出入口です。葉の気孔にあたる働きを枝や幹、根が受け持つ器官で、札幌市博物館活動センター「冬の木の観察」も冬の見どころに挙げています。皮目は、枝や幹、根の表面にできる空気の出し入れ口です。表面がコルクで覆われると内側の細胞が外気とやりとりできなくなるため…
短枝と長枝(枝と幹の見方)
同じ木の葉の形が違うのは、枝が二通りあるからです。節と節の間がよく伸びる長枝と、ほとんど伸びずに葉を束のようにつける短枝があり、葉のつき方も形も変わります。長枝は節と節の間がよく伸びる枝で、葉が離れてつきます。短枝は節間がほとんど伸びず、葉が束のように集まる枝です。短枝は一年に数ミリしか伸びないことがあり…
樹皮の裂け方(枝と幹の見方)
幹のもようは、裂け目の向きと古い樹皮の落ち方で決まります。福原達人『植物形態学』4-2は、この形が古くから樹種の判別に使われてきたと述べています。樹皮の裂け方は、幹の表面が割れる向きと、外側の古い樹皮がどう落ちるかをまとめた言い方です。幹は内側で太り続けるので外側の皮が追いつかず、縦に裂ける、横に剥がれる…
皮刺と茎針(枝と幹の見方)
とげは、何が変わってできたかで呼び名が分かれます。茎が変わったもの、葉が変わったもの、表皮が盛り上がったものがあり、表皮由来のものは横に押すと外れます。とげの出どころは三通りあります。シュート(茎)が変わった茎針、葉や托葉が変わったもの、表皮の突起としてできた皮刺です。…
花序(花と実の見方)
花の並び方には型があり、咲く順序まで決まっています。総状・穂状・散房・散形・頭状と集散花序に分かれ、どこから咲き始めるかが見分けの軸になります。花序は、一本の枝に花がどう並んでつくかという形の呼び名です。柄のある花が軸に並ぶのが総状、柄の無い花が軸に直接つくのが穂状、下の花ほど柄が長く、上面が平らにそろうのが散房…
頭花(花と実の見方)
タンポポの黄色い一輪は、花の集まりです。小さな花が多数集まって一つの花のように見える形で、キクの仲間の見分けは、この作りを分けて数えるところから始まります。頭花は、多数の小さな花が短い軸の上に集まり、全体で一つの花のように見える花序です。外側の花びら一枚に見える舌状花と、中心の筒の形をした筒状花からできており…
雌雄異株(花と実の見方)
同じ並木でも、実の落ちる木と落ちない木があります。雄花だけをつける株と雌花だけをつける株に木が分かれることがあり、イチョウの秋の差はここから生まれます。雌雄異株は、雄しべだけの花をつける株と、雌しべだけの花をつける株が、別々の個体に分かれている性のあり方です。一本の木の中に雄花と雌花が別々につくのは雌雄同株で…
殻斗(花と実の見方)
どんぐりの帽子は、実のふたではなく花を包んでいた器です。総苞片という小さな葉が多数集まって癒合し、変形したもので、ブナ科にほぼ限られます。殻斗は、どんぐりの下半分を受けている、椀や皿の形をした器官です。花の外側にあった総苞片が多数集まって癒合し、変形したもので、果実そのものの一部ではありません。ブナ科にほぼ固有の器で…
翼果(花と実の見方)
羽の生えた実は、果皮そのものが薄く伸びた翼です。熟しても裂けず、風を受けて回りながら落ちる乾いた実で、カエデの二つつながった実が代表です。翼果は、果皮の一部が薄く平たく伸びて翼になった、熟しても裂けない乾いた実です。裂けずに種子を包んだまま落ちる実を閉果と呼び、翼果はその一つにあたります。…
核果と液果(花と実の見方)
やわらかい実の違いは、割った断面の中心に出ます。硬い核が一つ入るのが核果、果肉の中に硬い種皮の種子が散らばるのが液果で、漿果とも呼ばれます。どちらも水気のある実ですが、硬くなる場所が違います。核果は果皮の内側の層だけが硬い核になり、その外側が果肉になる実で、核を割ると中に種子が入っています。…