葉痕
枝と幹の見方
葉が落ちた枝には、柄のついていた跡が残ります。輪郭の形と、その中に並ぶ点の数と配置で木を絞る見方で、札幌市博物館活動センターの観察シートも冬の観察項目に挙げています。
何を指す言葉か
葉痕は、葉柄が枝から離れたあとに残る跡です。葉が落ちる前に葉柄の付け根で離層ができ、そこで切れた断面がそのまま模様になります。輪郭は半円・楕円・三日月・U字・V字・三角など木ごとに決まっており、中には点や短い線が並びます。これは葉へ水と養分を送っていた維管束の切り口で、維管束痕と呼びます。数は1個から数十個まで幅があり、配置も種によって決まっています。跡のすぐ上に冬芽がのる位置関係も、あわせて見るところです。
どこを見れば分かるか
輪郭の形を先に見て、次に中の点を数えます。札幌市博物館活動センターの観察シートも、この二つを冬の観察項目に並べています。枝先から一年ぶんの若い枝がいちばん読み取りやすく、古い枝では樹皮に埋もれて形が崩れます。点の並びは3個が三角に置かれる、一本の線が弧を描く、多数が輪に並ぶといった型になります。枝を折らず、下から見上げるか枝先を引き寄せて見る位置を作ります。センダンの大きな葉痕は、歩道からでも見えます。
これが分かると何が引けるか
冬の枝だけで、図鑑の項目を絞れます。輪郭と維管束痕の組み合わせは種ごとの型に近く、葉の無い季節でも候補を数種まで落とせます。並びはそのまま葉序で、向かい合う葉痕が見えれば対生の木に絞れ、樹木では対生が少数派なので候補が大きく減ります。混同しやすいのは芽鱗痕で、こちらは前年の芽鱗が付いていた跡=一年の伸びの境目です。葉痕は葉の跡、芽鱗痕は芽の跡で、枝を細く一周する輪になります。芽そのものの見方は冬芽に置いています。