皮刺と茎針
枝と幹の見方
とげは、何が変わってできたかで呼び名が分かれます。茎が変わったもの、葉が変わったもの、表皮が盛り上がったものがあり、表皮由来のものは横に押すと外れます。
何を指す言葉か
とげの出どころは三通りあります。シュート(茎)が変わった茎針、葉や托葉が変わったもの、表皮の突起としてできた皮刺です。福原達人『植物形態学』のトゲの項は熊澤正夫『植物器官学』を引いて、表皮由来の皮刺は組織が浅く、横に押すと外れることを、由来を見分ける手がかりに挙げています。維管束が通って木部までつながる茎針は、押しても外れません。呼び分けは鋭さや大きさではなく、どの器官が変わったかで決まります。
どこを見れば分かるか
とげの付け根と、葉のつく位置との関係を見ます。ミカン属は葉のわきのシュートがとげになるため、葉の真上ではなく斜め上へ向かって出ます。ハリエンジュは葉の付け根の左右一対で、これは托葉が変わったものです。ノイバラやタラノキの皮刺は幹や葉柄の表面に散らばり、並び方に規則がなく、数も枝ごとに違います。指先で押さず、枝ごと動かして向きを見ます。ニトリル手袋があると、近づき方に無理がなくなります。
これが分かると何が引けるか
とげのある木を、形からたどれます。街ではノイバラ・カラスザンショウ・タラノキ・ハリエンジュが素材で、一対か散らばりか、葉の真上か斜め上かを見るだけで候補が割れます。付け根から一対で出るなら托葉の側、枝そのものが縮んで硬くなったものなら枝の作りの話で、短枝と長枝の見方ともつながります。冬に葉が落ちても、とげの位置と向きは枝に残ります。刺さって折れたときの扱いは折れて残るトゲに置いています。