葉の切れ込み

葉の見方

葉のふちが深く切れ込む形には、段階の呼び名があります。浅裂から全裂まで深さで分かれ、同じ木でも枝や樹齢で変わるのがこの形質の要点です。

何を指す言葉か

葉の切れ込みは、葉身のふちが中心へ向かって割れ込む形を指します。深さで呼び分け、浅く切れるのが浅裂、中ほどまでが中裂、主脈の近くまで届くのが深裂、主脈に達して分かれるのが全裂です。分かれた一つ一つを裂片と呼び、裂片の数は切れ込みの数に一つ足した数になります。福原達人『植物形態学』4-3がこの数え方を示しています。ふちの小さな凹凸は切れ込みではなく鋸歯で、葉身が割れるかどうかが境目です。

どこを見れば分かるか

切れ込みの底が主脈にどこまで近いかを見ます。一枚を平らに置き、中心線と底の距離を比べるだけで段階が決まります。イロハモミジは掌状に深く裂け、モミジバスズカケノキは大きく中裂します。同じ木でも葉によって深さが違うのがこの形質の性格で、カクレミノは若木や枝の下部の葉が三深裂し、年を経ると裂けない丸い葉が増えます。一枚だけで決めず、数枚を見て幅をつかむほうが確かです。

これが分かると何が引けるか

遠目に形の分かる木を、葉一枚で絞れます。カエデ類・スズカケノキ類・ヤツデのように、切れ込みの形がそのまま名前に結びつく木があります。深裂と複葉の境目は、見た目の深さでは決まりません。裂片の付け根に腋芽が無ければ深裂した単葉、あれば複葉で、この線は単葉と複葉に置いています。掌状か羽状かは葉脈の型とそろうことが多く、脈と合わせて読むと迷いが減ります。