鋸歯
葉の見方
葉のふちのギザギザには、細かい呼び分けがあります。突起のある鋸歯縁と切れ目のない全縁に分かれ、大小の重なりや先端の形まで見分けの材料になります。
何を指す言葉か
鋸歯は、葉のふちに並ぶのこぎり状の小さな突起です。突起のあるふちが鋸歯縁、なめらかなふちが全縁で、大小の鋸歯が入れ子になったものを重鋸歯、大きさのそろったものを単鋸歯と呼びます。先端の形にも名があり、針のように伸びれば芒、小さな粒状になれば腺です。福原達人『植物形態学』4-3はこれらを図で並べています。葉身が割れるほど深い切れ目は鋸歯ではありません。そちらは葉の切れ込みとして別に扱います。
どこを見れば分かるか
傷んでいない葉を一枚選び、輪郭の線だけを追います。光にかざすと、大小の重なりが影で浮き出ます。イヌシデでは大きな鋸歯の上にさらに細かい鋸歯がのり、これが重鋸歯です。クヌギは側脈が鋸歯の先へ抜ける形で、そこが細い針状になります。ヒラドツツジのように全縁の木もあるので、まず鋸歯縁か全縁かを決めます。虫の食べ跡や縮れたふちは形が崩れるため、避けて選びます。
これが分かると何が引けるか
ふちを見るだけで、似た葉の候補が二つに割れます。全縁の木と鋸歯縁の木は科ごとに偏るため、葉のつき方の次に効く分かれ道になります。重鋸歯まで読めればカバノキ科やニレ科の側へ寄せられ、ケヤキの単鋸歯と並べて比べられます。ヒイラギでは鋸歯の先が刺になり、低い枝ほど鋭く、高い枝では全縁に近い葉が増えると福原達人『植物形態学』4-6は記しています。同じ木で形が変わる例です。