短枝と長枝
枝と幹の見方
同じ木の葉の形が違うのは、枝が二通りあるからです。節と節の間がよく伸びる長枝と、ほとんど伸びずに葉を束のようにつける短枝があり、葉のつき方も形も変わります。
何を指す言葉か
長枝は節と節の間がよく伸びる枝で、葉が離れてつきます。短枝は節間がほとんど伸びず、葉が束のように集まる枝です。短枝は一年に数ミリしか伸びないことがあり、葉の落ちた跡が積み重なって、太く短いこぶのようになります。一本の木が両方を持つのがふつうで、勢いのよい若い枝や樹冠の外側が長枝、光の弱い内側や年を経た枝に短枝が並びます。花や実は短枝の先にまとまることが多く、そこは花序の見え方にも効いてきます。
どこを見れば分かるか
葉の間隔が急に詰まる場所を探します。枝を根元から先へたどると、伸びた部分と詰まった部分の境目が見えます。イチョウは一本の長枝に多数の短枝がつく作りで、短枝の葉は切れ込みが浅く、長枝の葉は深く二つに割れることが多いと福原達人『植物形態学』は記しています。ソメイヨシノの詰まった枝先や、2本ずつ束になるクロマツの葉も同じ見方で読めます。冬は、こぶ状のふくらみと重なった葉痕が目印です。
これが分かると何が引けるか
葉の形のばらつきに惑わされずに済みます。同じ木から拾った葉が別の形をしていることは珍しくなく、枝の種類が違うだけだと分かれば、別種を疑わずに進めます。葉の切れ込みの深さや葉の大きさを比べるときは、どちらの枝の葉かをそろえるのが前提になります。枝の伸びを数えるときも同じで、短枝は節が詰まるぶん、長枝の一年ぶんとは物差しが違います。花や実の位置を追う手がかりにもなり、実のなる木では短枝の先が見どころになります。