常緑と落葉
葉の見方
冬に葉があるかどうかで、図鑑は大きく二つに割れます。ただし常緑は葉を落とさないという意味ではなく、落とす時期と一枚の葉の寿命が違うだけです。
何を指す言葉か
常緑と落葉は、一年を通して葉のある姿か、季節ごとに葉を落として枝だけになる姿かの区別です。常緑は葉を落とさないという意味ではありません。一枚の葉が一年以上生き、古い葉の落ちる時期と新しい葉の出る時期が重なるため、木としては葉が絶えない状態を指します。落葉樹は寒さや乾きの季節の前に葉を落とし、冬芽だけを枝に残して冬を越します。呼び分けの軸は葉の寿命と入れ替わりの時期です。
どこを見れば分かるか
冬から早春に、同じ木をもう一度見ます。一月から二月の枝ぶりがいちばん分かりやすく、葉が残っていれば常緑、枝だけなら落葉です。クスノキは春先に古い葉が落ち、同じころ新しい芽が開くため、樹下に落葉と落枝がたまります。福原達人『植物形態学』のクスノキの項も、この入れ替わりを写真で説明しています。落ち葉が積もっていれば落葉樹、とは限らない例です。シラカシと並べて見ると差が分かります。
これが分かると何が引けるか
季節を見た時点で、候補の半分が消えます。冬に葉のある木は常緑樹に絞られ、ケヤキやイチョウの側は外れます。枯れ葉を茶色いまま冬まで付ける木があるのが取り違えの元で、コナラやクヌギの若木でよく見られます。色と手ざわりが枯れているかどうかで切り分けます。葉の落ちた枝から先へ進む道は冬芽と葉痕にあり、ケヤキのような落葉樹では冬こそ枝が読み取りやすくなります。