不調の見分け図鑑
根が茶色く変わる(根の不調)
根の茶色は、染まっただけのこともあります。手ざわりで、色がついただけなのか、組織が傷んでいるのかを分けます。白かった根が、先のほうから薄い茶色に変わります。株ぜんぶが同じ色になることもあれば、下段の一部だけのこともあります。指で軽く挟むと、張りが残っていて、すすぐと色が薄くなる根と、表面がぬるつき…
根がぬるついて崩れる(根の不調)
指で挟むと崩れる根は、もう戻りません。霧は系ぜんぶで共有されるので、崩れた根を残したまま回すと同じ棚へ広がります。根の表面がぬるつき、指で挟むと外側の皮がむけて芯だけが残ります。色は褐色から黒に寄り、水を張った器に入れるとほどけて濁ります。においは、土のにおいとは違う生ぐささになります。…
根の先が乾いて縮む(根の不調)
根の先が乾いていたら、そこに霧が届いていません。株の側ではなく、まず噴霧の側を見る場面です。白かった根の先が細く縮み、茶色っぽく硬くなります。触っても湿り気がなく、曲げるとぱさりと折れます。乾きは先から根元へ向かって進み、途中で止まっていることもあります。範囲の出かたに癖があって…
根毛ばかりが増える(根の不調)
細かすぎる霧では、根毛ばかりが増えます。すぐ枯れるものではないので、記録を取りながら次の作でノズルを見直します。主根の伸びが止まったまま、根の表面が白い綿をかぶったように毛羽立ちます。近くで見ると細い毛が密に立ち、根の輪郭がぼやけて太く見えます。色は白いままで、ぬめりもにおいもありません。…
根が短いまま伸びない(根の不調)
根が伸びないときは、粒が粗いか、根のまわりが冷えています。どちらも霧の当てかたの側に見るところがあります。定植から日が経っても、根が数センチのところで止まったままです。色は白く、ぬめりも乾きもありません。新しい根の先が出る数が少なく、出ても短いところで止まります。葉は枚数も大きさもゆっくりで、しおれはしません。…
根が絡んでマットになる(根の不調)
根の塊の内側には、霧も空気も入りません。外から見て元気でも、内側から酸素が足りなくなります。株どうしの根が編み合って、板のように一枚につながります。持ち上げると全体がついてきて、隣の株まで動きます。外側は白いのに、割ってみると内側が灰色から褐色に変わっています。塊の下を水が伝い、底の一部が濡れたまま乾かなくなります。…
根が緑色になって藻がつく(根の不調)
根が緑になるのは、チャンバーに光が入っている印です。藻そのものより、光が漏れている場所を先に探します。白い根の一部が黄緑から濃い緑に変わります。緑になるのは全体ではなく、定植パネルの穴のふち、容器のつなぎ目、ふたの隙間の近くだけです。同じ場所の壁や配管にも、ぬるりとした緑の膜が付きます。タンクの内側も緑がかり…
根が底の水に浸かっている(根の不調)
根が水に浸かった時点で、霧栽培ではなくなります。排水が詰まっているか、噴霧の量が多すぎます。チャンバーの底に水が溜まり、下へ伸びた根の先が液面の下に入っています。水は動かず、表面に泡や膜が残り、においが出ることもあります。浸かった部分だけ色が変わり、液面のところで白と褐色の境ができます。…
ノズルから霧が出なくなる(霧と装置の不調)
1本詰まると、その区画の根だけが乾きます。霧の見た目より、根の乾きで先に気づくことがあります。1本のノズルだけ、円錐に広がっていた霧が細い筋や滴に変わります。手をかざすと当たる範囲が狭く、隣のノズルは同じままです。圧力計の針はむしろ下がらず、わずかに上を指すことがあります。変化は先に株のほうへ出て…
霧が片側にしか届かない(霧と装置の不調)
霧の届かない場所は、根から先に分かります。噴霧の重なりが足りないと、乾いた場所ができます。同じ棚なのに、手前の株は葉が張り、奥の株は小さいままという差が固定します。チャンバーを開けると片側の壁だけが濡れ、反対側は乾いています。根も片側は白く、もう片側は細く縮んでいます。株を入れ替えても…
霧ではなく水滴が落ちる(霧と装置の不調)
粒が大きすぎると、空中に留まらず落ちます。株はすぐ枯れませんが、根に届く酸素は減っていきます。ノズルの先から、白く煙る霧ではなく、粒の見える水しぶきが出ます。手をかざすと点で濡れ、チャンバーの床にすぐ水が溜まります。噴霧を止めた直後に空中へ残る白さが短くなり、横から光を当てても霧の柱が立ちません。…
圧力が上がらない(霧と装置の不調)
圧力計が上がらないときは、どこかで漏れているか、通り道が細くなっています。数字が先に教えてくれます。圧力計の針が、噴霧を始めても普段の位置まで届きません。ポンプは回っているのに音が軽く、噴霧は白さを失って粒の見える形になります。継手のまわりに水の跡や滴が残っていることもあります。逆に…
止めても霧が垂れ続ける(霧と装置の不調)
噴霧を止めた後に垂れるのは、弁が閉じ切っていない印です。間欠のはずが常時濡れになります。噴霧の時間が終わっても、ノズルの先からしばらく滴が落ち続けます。下の段の株の葉に水の跡が付き、チャンバーの底に水の輪ができます。休みのはずの時間に、根の表面がずっと光ったままになります。…
気づいたら霧が出ていない(霧と装置の不調)
霧が止まると、根には溜めた水がありません。止まっていた時間で、手当ても判定も変わります。チャンバーを開けても白さがなく、根の表面が乾いて艶を失っています。ノズルに触ると乾いていて、床の水は引いています。サイクルタイマーの表示が消えている、時刻がずれている、という出方もあります。株は棚ごと同じ向きにしおれ…
タンクの養液が濁ってぬめる(霧と装置の不調)
濁った養液は、ノズルの内側にも同じものを運びます。タンクの中は、根の環境の上流です。タンクの液が白く、あるいは茶色く濁り、壁に触ると指が滑ります。汲むと糸を引くことがあり、光を通すタンクでは緑がかることもあります。インラインフィルターを開けると、以前より短い間隔で目が塞がっています。ノズルの噴霧の形も…
養液の温度が上がる(霧と装置の不調)
養液の温度は、上がるほど酸素が溶けにくくなります。まず何度で何日続いたかを並べます。タンクの温度計の値が、日中に上がって夜も戻り切らない日が続きます。朝と昼の差が広がり、数日かけて底の値そのものが上がっていきます。チャンバーの中の湿度は高いままで、根の見た目は当日には変わりません。…
葉先が茶色く枯れる(株の不調)
葉先の枯れは、養液を濃くしても直りません。カルシウムが内側の若い葉まで運ばれていない形です。株の内側で伸びかけている若い葉の先だけが、縁から数mmの帯で茶色く縮れます。外側の葉は緑のまま張りがあり、葉が重なる作物では割ってはじめて出てきます。ECもpHも目安の範囲に入ったまま動かず、数字だけでは気づけません。…
新しい葉だけが黄色くなる(株の不調)
新しい葉から黄色くなるのは、鉄が届いていない形です。量ではなく、pHで届かなくなっていることがあります。色が抜けるのは株のいちばん上、いま伸びている葉からです。葉脈が緑の線で残り、その間だけが黄色くなります。下の古い葉は濃い緑のままです。ECは範囲に入ったままで、pHだけが日をまたいで上がっていることがあります。…
昼だけしおれて夕方に戻る(株の不調)
昼のしおれは、吸う速さが追いついていない印です。夕方に戻るなら、根はまだ生きています。光がいちばん強い時間に葉が垂れ、夕方には元へ戻ります。翌朝は何事もなかったように張りがあり、これが何日か繰り返されます。垂れるのは外葉が先で、内側の葉は最後まで立っています。…
株元が黒ずんでぐらつく(株の不調)
株元が黒ずんだ株は、抜くほうが早く済みます。支持材が常に濡れている場所で起きます。定植パネルにさしこんだあたりが黒ずみ、指でつまむと茎がぐらついて、押すと汁がにじみます。支持材はいつも濡れたままで、白や灰色のかびが見えることもあります。支持材を外すと、内側がぬるついて崩れることもあります。上の葉は片側から力を失い…
同じ棚で育ちが揃わない(株の不調)
同じ棚で差が出るのは、株ではなく霧の差です。位置と大きさを並べて記録すると、地図になります。同じ日に定植したのに、棚の端の株だけが小さい、あるいは通路側の列だけが遅れます。葉の色は変わらず、大きさだけが違います。数日おきに同じ場所から撮ると、差は開く方向へ動きます。手前と奥でも、上下の段でも差が出ます。…
一株だけしおれて戻らない(株の不調)
一株だけの不調は、系ぜんぶの入口になります。霧が共有されている以上、待つより外すほうが安く済みます。1株だけが昼に垂れたまま、夕方になっても戻りません。翌朝も垂れたままで、葉が内側から黄ばんで薄くなります。隣の株は同じ日に見ても変わりません。抜くと根が茶色から黒に変わり、指でしごくと外側の皮が剥けます。…