根が絡んでマットになる

根の不調

判定: すぐ手を打つ

根の塊の内側には、霧も空気も入りません。外から見て元気でも、内側から酸素が足りなくなります。

どう見えるか

株どうしの根が編み合って、板のように一枚につながります。持ち上げると全体がついてきて、隣の株まで動きます。外側は白いのに、割ってみると内側が灰色から褐色に変わっています。塊の下を水が伝い、底の一部が濡れたまま乾かなくなります。葉の側は、外周の株は普通で真ん中の株だけ育ちが遅れることがあります。

何が起きているか

根の塊が、霧と空気の通り道をふさいでいます。噴霧栽培は根を空気の中に置くから酸素が届くという前提で成り立っているので、その前提が内側から崩れます。塊の中では根のまわりの動かない層が厚くなり、酸素の届く距離が足りません。低酸素が続くと膜が傷み、根がぬるついて崩れる側へ進みます。外側の白さは、当てになりません。

どうするか

まず外側から手で梳いて、塊を割ります。無理に引くと新しい根の先が切れるので、力を入れるのは編み目の側だけにします。次に、混み合った株を間引くか、ネットポットごと動かして株間を空けます。底に溜まった水と切れた根を取り、排水の傾きを確かめます。最後にチャンバーの中の風の通りを見ます。

起こさないために

株間と栽培密度を、収穫のときの根の大きさで決めます。定植のときに空いて見えるくらいが、後半にちょうどよくなります。2週に一度、下から根の広がりを見るのぞき口を作っておきます。チャンバーの底は、水が1か所へ抜ける傾きを付けます。霧の休んでいる間に空気が入れ替わるようにしておきます。

どこまで確かめられているか

根の塊が酸素の薄い場所を作り、膜が傷んで菌が定着するという筋道は、Scott と Villouta 2026 のレビューがイチゴのNFTでまとめています。水路の入口6.2mg/Lが出口で2.9mg/Lまで下がった値も、同じ資料に載っています。Ries ら 2026 はレタスの湛液で2.9から3.5〜4.0mg/Lへ上げると地上部の生重が98〜139%増と測りました。噴霧栽培の塊の内側を測った例は見当たりません。