養液の温度が上がる
霧と装置の不調
判定: このまま様子を見る
養液の温度は、上がるほど酸素が溶けにくくなります。まず何度で何日続いたかを並べます。
どう見えるか
タンクの温度計の値が、日中に上がって夜も戻り切らない日が続きます。朝と昼の差が広がり、数日かけて底の値そのものが上がっていきます。チャンバーの中の湿度は高いままで、根の見た目は当日には変わりません。昼だけしおれて夕方に戻るが先に出ることもあります。何度で何日続いたかを並べるところから始まります。
何が起きているか
温度が上がるほど、水が抱えられる酸素は減ります。噴霧では根が空気に触れているので湛液より緩やかですが、根をつつむ水の膜の中の酸素は液温に従います。熱の元は室温・照明・ポンプの仕事・タンクの置き場所に分かれます。根の温度が上がれば呼吸も増えるので、供給が減って需要が増える形になります。
どうするか
まず、液温と室温と根のあたりの温度を同じ時刻に読み、どこから上なのかを決めます。室温より液温が高ければタンクとポンプの側、室温のほうが高ければ空調と照明の側です。タンクを日陰へ移し、床から離して覆いを掛けます。それから温湿度データロガーで一日の形を残します。急に冷やさず、日ごとの上がり方を追います。
起こさないために
夏に入る前に、液温の上限をいくつにするか決めて書いておきます。決めていないと、上がってから迷います。根のまわりが何℃なら伸びるかは根の温度の担当で、ここで決めるのはタンクの液を何℃で止めるかです。目安の引きかたは養液の温度にあります。タンクを大きくすると一日の振れが小さくなります。置き場所と覆いは、季節が来る前に済ませます。
どこまで確かめられているか
Levine ら 2023(Ann. Bot. 132:455-470)は、赤葉レタスを薄膜水耕で16日育て、根圏15・25・35℃を比べて25℃で地上部と根の乾物が最大、35℃で有意に低下し色素は増えたと報告しました。Hayashi ら 2024 は根圏を気温より3℃高くすると乾物が増えたとします。どちらも薄膜水耕の値で、噴霧で同じになるかは測られていません。