根が短いまま伸びない
根の不調
判定: このまま様子を見る
根が伸びないときは、粒が粗いか、根のまわりが冷えています。どちらも霧の当てかたの側に見るところがあります。
どう見えるか
定植から日が経っても、根が数センチのところで止まったままです。色は白く、ぬめりも乾きもありません。新しい根の先が出る数が少なく、出ても短いところで止まります。葉は枚数も大きさもゆっくりで、しおれはしません。同じ棚でも下段より上段、ノズルから遠い側で止まりやすい、という出かたをすることがあります。
何が起きているか
根が伸びない側に条件が寄っています。粒が粗いと、根の表面に厚い水の膜ができて酸素が入りにくくなります——厚くなった水の膜の状態です。もう一つは温度で、根の温度が低いと新しい根そのものが作られません。噴霧栽培では養液の温度がそのまま根のまわりの温度になるので、冬は液の側から先に冷えていきます。
どうするか
まず、根のまわりの温度を測ります。温湿度データロガーをチャンバーの中に置き、朝いちばんの値を見ます。低ければ液を温める側から手を入れます。次にノズルの粒径と圧力計の値を見て、粗い側なら休止時間を延ばします。変えるのは一度に一つだけにします。二つ同時に動かすと、どちらが効いたのか分からなくなります。
起こさないために
根のまわりの温度を、季節をまたいで記録します。冬は液温、夏は室温のほうが先に動きます。チャンバーの外側を断熱し、タンクを床へ直接置かないようにします。棚の段数と段の間隔を決めるときに、上段ほど霧が届きにくいことを織り込んでおくと、段による差が小さくなります。日ごとの最低温度を残しておきます。
どこまで確かめられているか
根のまわりの温度の効きかたは、Levine ら 2023(Annals of Botany)が赤葉レタスの根圏を15・25・35℃で比べ、25℃で地上部と根の乾物重が最大になったと報告しています。噴霧栽培を含む例は Bantis ら 2026(Plants)で、養液の最低温度を18〜22℃に保つと、11〜12℃の対照よりミニロメインの葉重が噴霧の側で54〜75%多くなりました。粒径と根長を測った例は見当たりません。