同じ棚で育ちが揃わない

株の不調

判定: すぐ手を打つ

同じ棚で差が出るのは、株ではなく霧の差です。位置と大きさを並べて記録すると、地図になります。

どう見えるか

同じ日に定植したのに、棚の端の株だけが小さい、あるいは通路側の列だけが遅れます。葉の色は変わらず、大きさだけが違います。数日おきに同じ場所から撮ると、差は開く方向へ動きます。手前と奥でも、上下の段でも差が出ます。1株ずつ見ていると、どれも少し小さいだけに見えて気づけません。小さい株を抜いても、同じ場所で次の株がまた遅れます。

何が起きているか

届いている霧の量が場所ごとに違います。中空円錐の霧は輪の形で当たり、距離の短い外側ほど濃くなります。届く高さが足りないと重なるはずの場所が重ならず、乾いたままの区画ができます。ノズルが1本詰まればその真下だけが乾き(ノズルから霧が出なくなる)、片側だけなら圧の偏りです(霧が片側にしか届かない)。

どうするか

棚の見取り図を1枚描き、株の大きさを数字で書き込みます。次に紙をチャンバーへ置いて濡れ方を写します。試作機では紙で取った広がりが965.2 mm×863.6 mm、幾何モデルの見積もりが924.6 mm×906.78 mmでおおむね合いました(Min ら 2023)。乾いた区画が出たらノズルの向きと取り付け高さから直します。

起こさないために

同じ場所から同じ時刻に写真を撮り続けます。試作機では15分ごとの画像から緑の面積の割合を出し、ノズルが詰まった区画の伸びが鈍る様子を数字で捉えています(Min ら 2023)。配置は後から足すより先に決めるほうが直しやすいので、ノズルの本数と間隔と重なりを図面の段階で確かめます。詰まりやすい細い霧ほど、点検の間隔を詰めます。

どこまで確かめられているか

紙で取った広がりと幾何モデルの一致、外側が濃くなること、届く高さが足りず乾いた区画が多数できたことは、1台の試作機の観察です(Min ら 2023)。ルッコラの30日の試験で、21日目に伸びが鈍り22日目にノズルが完全に詰まって株が枯れた記録も同じ論文です。ムラの大きさと収量の関係を測った資料は見当たりません。