機材と部屋図鑑

ダイナミックマイク(マイク)

カラオケの部屋に置かれている丈夫なマイク。部屋に置いてあるマイクは、ほぼこの型です。磁石とコイルで振動をそのまま電気に変える電源のいらない単純なつくりで、多少ぶつけても壊れにくい。感度は控えめで口元の音を近くから拾い、天井のスピーカーや壁の反響は拾いにくい。だから伴奏が大きく鳴る空間でも、声だけを前に出せます。

マイクの持ち方(マイク)

音の通り道をふさがないマイクの握り方。握る場所ひとつで、同じ機械が別の音になります。マイクは網の内側で音を拾うつくりなので、そこを手のひらで包むと高い成分が削られ、こもって遠い音に変わります。持ち手は軸の真ん中あたり。四本の指を軽くそろえ、親指を反対側に添えると、腕の力を抜いたまま角度を保てます。

マイクとの距離(マイク)

口とマイクの間隔で決まる音量と太さ。声の大きさと太さは、つまみより先に距離で決まります。マイクは近づくほど低い成分が持ち上がる性質があり、5センチ以内では声が太くふくらみ、20センチも離すと薄く遠くなる。この幅を曲の中で使い分けるほうが、音量を上げるより自然な強弱になります。

ハウリング(マイク)

マイクとスピーカーが起こすキーンという音。スピーカーから出た音をマイクが拾い直し、それがまた出て、を高速でくり返して起きる音が回り続ける輪です。キーンという高い音も、ボーという低いうなりも同じしくみで、機器とスピーカーに負担がかかります。狭い部屋、上げすぎた音量、スピーカーの正面へ向けたマイクで起きやすい。

ワイヤレスと有線(マイク)

部屋に置かれた二種類のマイクの違い。部屋のマイクは、コードでつながった有線と、電池で電波を飛ばすワイヤレスの二種類。音を拾う部分はどちらも同じ型で、差が出るのは扱いやすさのほうです。有線は電池切れがなく途切れにくい、ワイヤレスは立ち歩けて振り付けもできる。電波で送るぶん数ミリ秒の遅れが乗りますが…

エコー(音の設定)

声に残響を足して聞こえ方を整える設定。マイクの声をわずかに遅らせて重ね、浴室で歌ったときのような尾を引かせる設定です。残響は0.3〜1秒ほど続き、語尾の切れ際や息づかいがなめらかに聞こえます。声そのものが太くなるのではなく、輪郭をぼかして粗さを隠す働きだと考えてください。エコーを深くしても点は上がりません。

音量バランス(音の設定)

マイクと伴奏の大きさの比を合わせる。部屋の音量、マイクの音量、伴奏の音量は別々に動くことが多く、どれを上げても大きくなったと感じるので迷いやすい設定です。歌いやすさを決めるのは声と伴奏の比のほうで、伴奏が主で声が同じか少し上あたりが多くの人に合います。全体の音量は部屋の広さと人数で決まり…

キー変更(音の設定)

曲の高さを半音ずつ上げ下げする機能。画面の上下ボタンで曲全体の高さを動かす機能で、一目盛が半音、多くの機種で上下6目盛ほどまで動きます。伴奏も歌詞の表示もそのままで、自分の声を変えずに曲を寄せるやり方です。原曲キーで歌えることが偉いわけではなく、上げたほうが楽になる曲もあります。

テンポ変更(音の設定)

高さは変えずに曲の速さだけ動かす。曲の速さだけを変える機能で、音の高さは変わりません。目盛を一つ動かすと数パーセントずつ速さが変わり、言葉が詰まった箇所や早口の部分を、音程はそのままにゆるめられます。ひとりで練習する日のための機能で、人前ではあまり使いません。曲によっては項目自体が出ないこともあります。

ガイドメロディ(音の設定)

主旋律を音で鳴らして音程を示す補助。歌うべき主旋律を、笛や電子音のような音で伴奏に重ねて鳴らす機能です。次にどの高さへ動くかが耳で分かるので、うろ覚えの曲でも大きくは外れにくくなります。歌詞の色が変わるタイミングに合わせて主旋律が鳴るので、色を目で追うだけでは分からない音の高さを補えます。入れるか切るかは曲ごとに選べ…

ボーカルキャンセル(音の設定)

本人の歌声入りの曲から歌を薄める。歌手の歌声が入ったままの音源で流れる曲から、歌の成分だけを弱める切り替えです。左右の音の差を使って真ん中の音を打ち消すしくみが多く、きれいに消え切ることはまれです。歌声と一緒に中央のベースやドラムまで薄くなることもあり、効き具合は鳴らして確かめるほかありません。

部屋の広さと響き(部屋と設備)

部屋の大きさで変わる声の返り方。声は壁や天井ではね返って耳へ戻ります。狭い部屋ほど反射が早く戻り、自分の声が近く太く聞こえます。広い部屋は反射が遅れて散るので、同じ声量でも薄く物足りなく感じます。二人用の小部屋と十人以上の大部屋では体感の声量がまるで別物で、同じ曲でも力の入れ方が変わります。板張りの壁はよく響き…

スピーカーの位置(部屋と設備)

立つ位置で変わる自分の声の聞こえ方。部屋では天井や壁の高い場所に小型のスピーカーが数台、低音用の箱が座席の下や部屋の隅に置かれる作りが多く見られます。声も伴奏も同じ場所から出るので、立つ位置が数十センチ違うだけで返ってくる音の量が変わります。低い音ほど部屋にたまりやすく、隅に立つと自分の声がこもって聞こえます。

選曲端末(部屋と設備)

曲を探して予約する手元のタッチ端末。曲を探して順番に送るための機械です。無線でつながった専用機が多く、曲名や歌手名の頭文字、数字の曲番号、歌い出しの言葉からもたどれます。キーやテンポの指定を予約と一緒に送れる機種もあり、その日に歌った履歴や採点の記録をその場で見返せる作りになっています。

録音機能(部屋と設備)

その場の歌を残して聞き返す機能。歌った声と伴奏をまとめて残せる機能です。機種によっては採点の記録と一緒に保存でき、自分の端末へ持ち出せるものもあります。一曲まるごとでもサビだけでも残せますが、置いておける期間や本数に上限があり、会員の登録や専用の申し込みが要る場合も少なくありません。…

部屋のタイプ(部屋と設備)

人数と設備で分かれる部屋の種類。部屋は人数と設備で分かれます。一人用の小さなブース、四人前後の標準室、十人以上の大部屋、ステージや楽器の付いたパーティ用などがあり、置いてある機種や採点の種類も部屋ごとに違います。同じ料金でも設備がそろっていないことは珍しくなく、当日に案内されて気づく形になりがちです。

家庭用のカラオケ環境(家で歌う)

家で歌う環境をそろえるときの選択肢。家の道具立ては、テレビに映して使うアプリ、マイクとスピーカーが一体になった機器、業務用に近い据置機まで幅があります。本体が数千円から五万円ほど、曲を使うぶんの月額が千円前後という形が多く、採点や録音が付くかは機種次第です。金額はいずれも執筆時点の目安で、変わりうる数字です。

ヘッドホンでのモニター(家で歌う)

自分の声を耳で確かめながら歌う方法。歌っている最中の自分の声を、耳をふさいだ状態で聞きながら進めるやり方です。歌う人の耳には骨を伝わる声と空気を伝わる声が混ざって届きます。耳の穴をふさぐと骨から来た低い成分が外へ逃げ場を失って強まり、音程の狂いには気づきやすくなる反面、実際より太く上手に聞こえます。

防音と音漏れ(家で歌う)

家で歌うときの音の漏れ方と抑え方。歌声は八十から九十デシベルほどになり、話し声よりずっと遠くまで届きます。とくに低い音は床を伝わり、隣より上下の部屋へ回りやすい性質があります。窓とドアのすき間がいちばんの抜け道で、そこが弱いままだと壁の厚さは効きません。夜は周りが静かになるぶん、昼と同じ声量でも大きく感じられます。

スマホでの録音チェック(家で歌う)

手持ちの端末で歌を確かめる手順。手元の端末で自分の歌を残し、あとから聞き返すやり方です。内蔵のマイクは大きな音に弱く、声を張ると割れて聞こえますが、音程と言葉の輪郭を確かめるだけなら十分に足ります。動画で撮れば口の開きや姿勢のくせまで一度に見直せて、直す順番も決めやすくなります。