ハウリング
マイク
どこで使う: どちらでも
ハウリングは、マイクとスピーカーが起こすキーンという音。
どういうもの?
ハウリングは、スピーカーから出た音をマイクが拾い直し、増幅されてまた出る、という音の輪が切れずに回り続ける現象です。音響の解説動画(Audio University)は、マイクに届くスピーカーの音が歌い手の声より大きくなった地点で鳴る、と説明しています。ここまで上げても鳴らない余裕を増幅の余裕と呼び、マイクとスピーカーが近いほど小さくなります。その解説では、同じ部屋でマイクの音をスピーカーから出している限り、この輪ができる可能性があると書かれています。カラオケの部屋はまさにその形です。どの周波数が先に鳴るかは、広さ・距離・機材の型で変わります。
使い方・設定の目安
鳴り出したら、まずスピーカーから離れ、マイクの後ろ(尻)側をスピーカーへ向けて、網の側を口元へ寄せ直します。メーカーの解説も、マイクを音源へ近づけるのを輪を断つ手に挙げています。持つときは、柄を握り、網の周りを握らない。鳴り続けるなら、入力かスピーカーの音量を下げます。使わないマイクは、電源を切るかミュートにして、開いているマイクを減らします。響きをかけすぎないよう、エコーを浅くします。舞台裏方の動画は、マイクを床と平行に保つ向きも勧めています。
注意・トラブル
とっさに網を手で包むと、包むほど鳴りやすくなります。網を覆うと指向性が崩れ、ほぼ全方向を拾うようになり、近くのスピーカーの音を退ける力が落ちるからです(Shure Asia)。DPA の測定(自然な声・10〜12cm)では、網の前に親指と人差し指を当てると、2kHz前後に約9dBの山が出ました。マイクをスピーカーへ正面から向けると、どんなに良いマイクでも鳴ります(Shure Asia)。開いているマイクを減らすと鳴るまでの余裕が増える、と Attaway Audio の動画は挙げます。
出典
- 動画・英語 Audio University(音響の解説動画) How To Eliminate Microphone Feedback | 5 Must-Know Tips
- 動画・英語 Attaway Audio(音響の解説動画) How to Eliminate Microphone Feedback - As Fast As Possible
- 動画 舞台裏方ボランティア あらかしステージオペレーター 【音響講座】マイクのハウリングを防ぐ方法
- 資料・英語 Shure Asia(マイクメーカー・利害あり)(2013) How to Control Feedback in a Sound System
- 資料・英語 DPA Microphones(マイクメーカー・利害あり) Proper hand placement on a vocal mic
解説動画: ハウリングなぜ起きる?カラオケ対策完全ガイド/マリスのやさしい科学研究所
キーンが起きるしくみ: マイクが拾った声をスピーカーが出し、その音を同じマイクがまた拾う。この増幅のループでどこか一つの帯域だけがふくらみ、キーンやブーンという音になります。放っておくと入力も出力も過大になり、機器に負担がかかって破損の原因にもなる、というところまで説明しています。
起きやすい四つの条件: 距離が近い、マイクの本数が多い、レベルが大きすぎる、そして先端がスピーカーを向いている。部屋のマイクはほとんどが単一指向性で先端の方向の音を優先して拾うため、向きの影響がとくに大きい。全方向を同じ感度で拾うマイクを持ち込むと、歌声もスピーカーの音も等しく拾ってしまいます。
入室したら確かめること: まずスピーカーの位置を目で確かめ、マイクの頂点がそちらを向かない持ち方と座る位置を選ぶ。使っていないマイクは電源を切って置く——二人以上だと切り忘れが起きやすく、放置されたマイクがスピーカーの音を拾います。極端な音量設定のままでないかも先に見ておきます。
音量とエコーの決め方: 声と伴奏のつり合いが悪いときに片方だけ上げると、マイクの音量が上がりすぎて起こります。コツはまず全体を下げること。声が音楽より大きい関係を作ってから、全体を同じ数値ずつ上げます。エコーもかけすぎるとエフェクトの音が大きくなり原因になるので、声の芯が残る程度にとどめます。
持ち方と機材で防ぐ: 頭を手で覆う持ち方は先端付近だけを拾う特性を打ち消し、全方向の音を拾わせます。スピーカーに向けていなくても向けたのと同じ状態になるので、グリルに触れない位置を持つこと。高価なので交換されにくく、不調のまま使われ続けていることもあるため、頻発するならもう1本と換えてみる手もあります。