スピーカーの位置

部屋と設備

どこで使う: カラオケ店

スピーカーの位置は、立つ場所によって変わる自分の声の聞こえ方。

どういうもの?

小型のスピーカーを高い所に、低音用の箱を座席の下や隅に置く部屋があります。小さな会場の音響を教える Michael Curtis(YouTube)は、スピーカーは向いた先の中心がいちばん大きく、軸から外れるほど高い音が弱まると説明します。録音の専門誌は、箱を壁へ寄せると低音が約6dB、隅では約12dB強まる理屈だと述べ、部屋には低音が強く出る所とほぼ消える所もできると示します。どちらもカラオケ店の測定ではなく一般の音響の話ですが、立つ場所で伴奏の聞こえ方が変わる理由の説明になります。

使い方・設定の目安

スピーカーの真下と壁ぎわを避け、部屋の中ほどに立ちます。Curtis は、前列は強すぎ後列は薄くなるので、音を確かめる位置は客席の中ほどがよいと話します。マイクの先はスピーカーと反対側へ向けます。マイクメーカーの解説も、マイクの後ろ側をスピーカーへ向けるよう勧めます。口とマイクが近く、マイクとスピーカーが遠いほど、ハウリングまでの余裕が増えると大学の物理教材は述べます。伴奏が大きいと声も大きくなりがちなので、まず伴奏を一段下げ、自分の声が半歩前に聞こえる位置で立ち止まります。

注意・トラブル

低音用の箱が近い隅や壁ぎわは低音が強まりやすく、自分の声が聞き取りにくくなります。Curtis は、スピーカーの軸から外れた前列で高い音が届かず低音ばかり聞こえる例を挙げます。部屋ごとに配置は違い、この理屈どおりに聞こえるとは限りません。WHO は、うるさい場所ではスピーカーから離れ、1時間ごとに10分は静かな所で耳を休めるよう助言します(カラオケに限った話ではありません)。機器の上に飲み物を置くのは故障と弁償のもとで、こぼした時点で歌える部屋ではなくなります。

出典

  1. 動画・英語 Michael Curtis Speaker Placement Basics For Small Concerts, DJ's, and Portable Churches
  2. 資料・英語 Hugh Robjohns/Sound On Sound(録音の専門誌)(2016) Q. Should monitors be near the rear wall?
  3. 資料・英語 Sound On Sound(録音の専門誌) Room Modes(用語集)
  4. 資料・英語 Shure Asia(マイクメーカーの解説・利害あり)(2013) How to Control Feedback in a Sound System
  5. 資料・英語 R. Nave/HyperPhysics(ジョージア州立大学の教育サイト) Potential Acoustic Gain
  6. 公的機関・英語 世界保健機関(WHO)(2026) Deafness and hearing loss: Safe listening

解説動画: スピーカー台の正しい使い方とセッティングのコツ/創造の館 Technical Report

床や机へのベタ置きが最悪: 床にそのまま置くのはいちばん音を悪くする置き方だとされています。原因は定在波で、平行な面が向かい合っていればどこにでもできる現象。天井高が二・四メートルの部屋なら七十五ヘルツあたりに立ち、床にベタ置きしたときに最大になって低音が膨らみます。

低音側は高さの四分の一まで上げる: 定在波は床から離すほど小さくなるので、目安は天井高の四分の一。ふつうの部屋なら六十センチ以上持ち上げたいことになります。机の上でも同じ考え方で、机の高さ七十センチから四十センチ以上。ここまで上げると高音側が上がりすぎるため、上下を逆さにして置く形になります。

天板の反射が音に谷を作る: 机置きにはもう一つ弊害があり、耳へ直接届く音と天板で跳ね返った音が混ざります。高さを変えて測ると周波数特性に谷ができ、上げるほど谷は浅くなり低い側へずれていきました。位相が逆になる周波数で打ち消し合うためで、最低でも十五センチは離したいとしています。

高音側は目線と同じか上へ: 高音を受け持つユニットを耳の高さに合わせる話は有名ですが、耳は目より少し下にあるため、実際には見下ろす形になり音のイメージが目線より下へ広がります。舞台を上から見るようで不自然なので、目の高さかそれより上へ。ただし机の上は音像がもともと小さいので、下に見えても構わないとしています。

背を高くしたら倒れる前提で: 高い台は倒れて通路をふさぐのがいちばん困ります。滑り止めシートを敷けばがたつきが消え、地震でもずれ落ちにくい。高い場所には粘着する防振マット、大きなものはロープで壁とつなぎます。金属の台は叩くと響きますが、載せると足との摩擦で制振されて問題は出ません。