迷わない選び方と、少量で買う理由。
最初の1袋は、品種や精製方法まで見比べなくても、豆の系統・産地・焙煎度のどれかで選び先を絞れる。市販のコーヒー豆の多くはアラビカ種で、まろやかな甘みにチョコレートや果実のような風味が乗りやすい。ロブスタ種は苦みと渋みが強く、カフェインも多く、価格はアラビカ種より安い(Dero_De_Barista)。最初の1袋は、単品のアラビカ種か、アラビカを主体にしたブレンドを選ぶと、クセの少ない味に近づけやすい。
産地の個性でも選べる。コーヒーは赤道を挟んで南北25度ほどの「コーヒーベルト」と呼ばれる帯で、70以上の国や地域で栽培されている(UCCコーヒーアカデミー)。ブラジルはバランスがよくナッツのような香ばしい味わいで、迷ったときはブラジルを選ぶと好みに近い1杯になりやすく、コロンビアはしっかりしたコクと柔らかい酸味を持ち、コクのある味を好む人に向く(同アカデミー)。エチオピアは華やかさが際立ち、レモンやジャスミンを思わせる紅茶のような軽い質感になりやすい。インドネシア(マンデリン)やベトナムは、力強い品種が主体で、ボディがあり甘みのしっかりした味わいになりやすい(川野優馬のコーヒーチャンネル)。
焙煎度にも目安がある。浅煎りは酸味が明るく果実のような風味が出やすく、中煎りは酸味とコクの釣り合いが取れやすく、深煎りは香ばしさと苦みが強く出やすい(The App Barista)。どの焙煎にするかで一杯の印象が大きく変わるため、最初の1袋はまず中煎りを選び、物足りなければ深煎り、酸味を楽しみたければ浅煎りへ動かすと、変えた分だけ違いを感じやすい。
日本茶は、同じチャノキの葉を、蒸し方・覆い方・焙じ方だけ変えて作り分けている。最初の1杯は、日光を遮らず作る標準的な煎茶から試すと、ほかの種類との違いを比べる基準になる。覆いをして育てた新芽だけを使う玉露やかぶせ茶は手間がかかり価格も上がるので、煎茶に慣れたあとに回すと選びやすい。普段使いなら、硬めの葉や茎を混ぜて安く仕立てた番茶や茎茶(かりがね)、炒って香ばしさを出したほうじ茶が向き、製法の違いをもっと知りたくなったら、揉まずに蒸して乾かす玉緑茶や、釜で炒って仕上げる釜炒り茶、粉にして点てる碾茶と抹茶へ広げていける。
豆も茶葉も、まとめ買いせず飲み切れる量で買うほうが、香りが生きているうちに飲み切りやすい。焙煎した豆は、焙煎で出た二酸化炭素が抜けきる数日のあいだ香りが際立つ一方、そのあと酸素に触れて酸化が進み風味がにぶっていく(The App Barista)。真空包装した焙煎豆を調べた研究でも、焙煎後9か月で好ましい香りや風味が弱まり好ましくない特徴が増え、18か月では酸化を示す酸敗臭や酸敗味がはっきり感じられるレベルになったとされる(ウィーン大学のチームによる研究、Kreuml ほか 2013)。粉に挽くと豆の内側まで空気に触れるので、挽くのは飲む直前にし、豆のまま保てる量だけを買うと香りを保ちやすい(The App Barista)。茶葉も同じで、封を開けたら早く飲み切れる量を選ぶと、淹れるたびに香りを強く感じやすい。
出典
- 動画・英語 Dero_De_Barista How to Choose Coffee Beans: A Beginners Guide
- 動画・英語 The App Barista How to Buy The Best Coffee Beans | Buying Guide to Choose The Best Coffee Beans
- 動画 UCCコーヒーアカデミー 【初級編】コーヒー豆の選び方教えます!! | UCCコーヒーアカデミー
- 動画 川野優馬のコーヒーチャンネル 【前編】好みにあったコーヒー豆の選び方!
- 論文・英語 Kreuml MT, Majchrzak D, Ploederl B, Koenig J(2013) Changes in sensory quality characteristics of coffee during storage













