焚き火台

焚き火・火器

焚き火台は、地面を焼かずに火を育てる土台。

どんな道具?

焚き火台は、焚き火を地面に直接せず台の上で燃やすための道具です。米国国立公園局(NPS)の Leave No Trace は、焚き火は既存の火床・fire pan(受け皿)・盛り土の上で行い、手で折れる枯れ枝だけを使って小さく保つよう勧めています。形は箱型・皿型・メッシュ型などがあり、大きさも小型から大型まで様々です。使う料理と人数に合わせて選び分けます。英語の動画(Simon)は、焚き火の網を、脚で立つもの・丸太や石に渡すだけのもの・支柱で高さを変えるもの、という3タイプに分けて紹介しています。

選び方

英語の動画(Simon)は、脚を伸ばして高さを変えられるものは、火との距離を動かせて火加減を合わせやすいと話しています。網の厚みも比べていて、厚手のチタンは安定して歪みにくいが、薄いメッキ鋼の網は重い鍋で潰れやすいとしています。丸太や石に渡すだけのタイプは、動く部品がなく軽いので、持ち運びにも向くと話しています。棒の間隔が狭い網は、ソーセージなどが火に転がり落ちにくいとも述べています。収納袋に入れると、煤で周りの荷物を汚しにくいと話しています。

使い方のコツ

平らで空の開けた場所に置き、焚き火シートを敷いて地面を守ります。日向TVの動画で焚き火マイスターの井野さんは、直径3メートルほどの草を取って土を出し、木の根元は熱で根が傷むので離し、斜めの地面は薪が落ちるので避けると話しています。米国の防火キャンペーン Smokey Bear は、テントや植物、低い枝から少なくとも15フィート(約4.6m)離すよう勧めています。燃え残った端は、火ばさみで薪の向きを逆にすると綺麗に燃えます。井野さんは、風下にテントを立てないことも勧めています。

手入れ・注意

使い終わったら、灰になるまで燃やし切るのが基本です。米国国立公園局(NPS)も、灰になるまで燃やして完全に消し、冷えた灰をまくよう勧めています。水で消す手順(Smokey Bear)もありますが、井野さんは水をかけると台が歪むことがあると話し、火消しつぼのような容器に入れて自然に消す方法を挙げています。冷めたら灰を払い、水気を拭いて乾かしてから収納します。英語の動画(Simon)は、鉄製の網は油を塗り忘れると錆が出やすく、使うときには十回中九回は表面に錆が出ていたと話しています。ステンレスの網は錆びないのが利点だと言っています。

出典

  1. 公的機関・英語 National Park Service(2022) Leave No Trace Seven Principles
  2. 公的機関・英語 Smokey Bear(Ad Council・米国農務省森林局 ほか) How to Put Out a Campfire | Smokey Bear
  3. 動画 日向TV 【初心者必見】超簡単!プロが教える「正しい焚き火のやり方」と6つの「心得」
  4. 動画・英語 Simon, a bloke in the woods Grills, Grates and Fire Anchors. What I use for Campfire Cooking.

解説動画: 薪割りから着火まで、焚き火台の上で火を育てる手順/CAMP HACK

概要: 講師役と初心者役の二人が、薪をナイフで割るバトニングから削り出し、火花での着火、火が安定するまでの薪の組み方までを一続きで実演する講座。焚き火台の上で火を育てることを前提に、道具の選び方と手の動かし方を一つずつ確かめながら進むので、どこで手を抜くと火がつかないのかが順番に見えてくる。

薪とナイフを選ぶところから: 薪は針葉樹が持って軽く断面も粗いのに対し、広葉樹はずっしり詰まっていて水分も抜けにくい。節の入った薪は刃が食い止められ、無理に力を入れるとナイフが欠けたり折れたりするので避け、繊維がまっすぐ通ったものを選ぶ。ナイフは刃渡り五センチほどの小型でも割れるが、根元が太く先へ細くなる形なら根元で割り、細い先で調理までこなせると勧める。

割り台の置き方とバトニングの叩き方: 薪割り台を挟むと刃が石など硬いものに当たらず、刃こぼれを防げる。台の面が斜めだと叩く力が逃げるので水平に置き、薪も切り口が直角に近い向きで立てる。叩き棒は針葉樹どうしでは軽すぎて食い込まないため、重くて硬い木を選ぶ。刃先を軽く打ち込んで固定したら、片側を押さえながら刃が水平に降りるよう叩き、最後まで振り下ろすと台に刃が当たるので途中から力を抜き、短いピッチでパカッと割れるところまで運ぶ。

フェザースティックの削り方: フェザースティックは刃を立てると木に深く食い込んで前に進まないので、刃を寝かせて木の面を滑らせるように薄く削るのが要点。薄く削れた分はくるっと巻き、巻きが強いほど火花が絡んで火が移りやすくなる。同じ場所ばかり削らず、削るたびにできた角を探して木を回しながら進める。握りは指先だけに力を入れ、残りは力を逃がすくらいがちょうどいい。

火花での着火と火の育て方: 削った薪を組み、ほぐした麻ひもを絡ませておく。火花はナイフの刃ではなく背を使い、ロッドに四十五度で当てて削り取る。持つ手が宙に浮くと火花が小さくなるので、手を固定して押しつけながら引く。火がついても慌てず、勢いのあるうちに次の薪を足す。理想は下から上へ燃え上がる形で、落ち着いたら広葉樹を一本置いてそこへ立てかけ、頂点のある組み方にして火床を保つ。

解説動画(海外・英語): How to Heat Up Water Using a Fire Bowl- Leave No Trace/Avoiding Chores

ステンレスのボウル1つで、地面を焼かずに薪を燃やす: 投稿主は、捜索救助(サーチ&レスキュー)の活動中に教わったという「ファイヤーボウル」を紹介している。使うのは特別な道具ではなく、ステンレスのボウルひとつ。その中だけで薪を燃やすので、地面を直接焼かずに済み、残る痕跡(フットプリント)を小さくできるのが狙いで、リーブ・ノー・トレース(跡を残さない)の考え方に沿った焚き火の形として説明されている。前回の動画で扱った「IKEAのホーボーストーブ」と同じ発想の延長にあるやり方で、燃料もごくわずかしか要らないのが利点。動画では、カップ1杯の水を沸かすところまでを実際にやって見せている。

燃料は落ち枝、指より太い枝はノコギリで刻む: 用意するのは、地面に落ちている枯れ枝(デッドフォール)、ノコギリの付いたマルチツール、火種のライター・チャッカマン。枝はまず火を起こせる大きさに折って小さくし、指の太さを超えるものはノコギリで短く切ってから入れる。ボウルに収まる細さへそろえるところが最初の仕事になる。置き場所は平らな面を選び、ぐらつくようなら石をかませてボウルを安定させる。細い薪をきちんと燃やせていれば、熾がきれいに燃え尽きて炭のかたまりが残らず、灰だけになるという。

マグを直接載せて、10分ほどで沸騰近くまで: 火が安定したら、水を入れたキャンプ用マグをボウルの上に直接載せる。熱いカップを扱うこの場面でマルチツールが役に立つ、と投稿主は言い添えている。マグにはアルミホイルで自作したフタをかぶせてあり、これには早く温まる効果と吹きこぼれを防ぐ効果、加えて舞い上がった灰がカップの中に入るのを防ぐ狙いがある。火が弱ってきても、ボウルの中へ息を吹き込んでやれば熾がすぐ起き返るのがこの器の良いところ。この条件ならおよそ10分で、ぐらぐらと沸くか、それに近いところまで持っていける。

沸かし終えたら燃やし切り、冷ましてから片付ける: 沸いたらカップを外し、残った薪はそのまま燃やし切ってしまうのがこのやり方の後始末になる。炭のかたまりを残さず灰にして、完全に冷めるのを待ってから灰をならして散らす、という手順で紹介されている。ただし灰をその場に撒けるのは、それが許される海外の自然地での話で、日本のキャンプ場では灰捨て場に入れるのが基本だし、直火禁止の区画も多い。処理は必ずその場所の指示に従いたい。また器がボウル1つぶんと小さいので、大きな薪をくべる本格的な焚き火ではなく、湯を沸かす程度の小さな火のための道具と考えておくとよい。