ナタ
焚き火・火器
薪を細く割り分ける片手の刃物
どんな道具?
斧より軽く、片手で扱える刃物です。割った薪をさらに焚き付けサイズまで細くする作業に向きます。枝払いにも使え、片刃の和式と両刃のタイプがあり、まっすぐ割る作業が中心なら両刃のほうが素直に入っていきます。
選び方
刃渡り15〜18cm、重さ500〜800gが焚き付け作りにちょうどよい範囲です。刃の背が厚いものは割る力が強く、背を叩いて刃を進めるバトニングをするなら厚みのあるものを選びます。鞘の作りと固定具合も必ず確認してください。
使い方のコツ
薪の断面に刃を当て、別の薪で背を叩いて少しずつ刃を進めるのが安全なやり方です。振り下ろして当てにいくと弾かれて手や足に向かいます。刃を支える手は刃の進む線から必ず外し、疲れているときは無理をせず作業をやめます。
手入れ・注意
使ったら水気を拭き、刃全体に油を薄く塗ってから鞘に納めます。鞘に湿気が残ると錆びるので、雨の日に使ったら一度出して乾かします。運搬は必ず鞘に入れ、車では手の届かない場所へ。正当な理由なく持ち歩かないよう気をつけてください。
解説動画: 薪割りは斧かナタか、両刃・片刃と安全な割り方/チキューギ.
概要と結論: キャンプで使う刃物として斧とナタのどちらを選ぶかを、これから始める友人と話しながら整理する回。キャンプ場でこの二つを使う場面はほぼ薪割りだけという前提に立ち、結論としては初心者には圧倒的にナタが使いやすいとしている。ブッシュクラフトは考えず、キャンプ場での薪割りに限った話になっている。
両刃と片刃の違い: 切っ先に向かって両側が斜めになっているのが両刃、片側だけ斜めで反対側がまっすぐなのが片刃。薪割りは刃を落として入れた後、両刃なら薪が左右に押し広げられて割れるので両刃が向く。斧は基本的にすべて両刃。一方の片刃は食い込みがよく、枝払いや木を削る作業に適する。フェザースティックも片刃の方が作りやすく、両刃は削ったフェザーが木から剥がれやすい。
なぜ初心者にはナタなのか: 理由の一つは形の馴染みで、斧の形状は日常生活で使うことがなく、どこに刃があるかの感覚が体に入っていない。ナタは包丁やナイフと同じ形なので刃の位置の感覚が分かる。もう一つは刃の長さで、ナタの刃は斧の倍ほどの長さがあり当たる範囲が広いぶん狙いを外しにくい。斧は刃先が狭く、外すと柄に当たったり空振りしたりする危険が出てくる。
薪割り台と薪を置く位置: 木の薪割り台は必須で、鉄やコンクリートの上でやると刃が欠けたり破片が飛んだりして危ない。薪を置く位置は台の奥が正解になる。手前に置くと空振りしたときに刃が台に当たらず自分に向かってくるため事故の例も多く、奥に置いておけば外しても刃は台に当たって止まる。斧で勢いよく割れると薪自体が飛ぶので、周りに人がいないかの確認も要る。
振り下ろさない割り方と姿勢: ナタは振り下ろさず、刃を当てて別の薪で叩いて割るのが基本。振り下ろすとテコの原理で刃を柄に留めている部分に力がかかり、グラグラになるため、フルタングでなければ避ける。叩く瞬間には薪を押さえていた手を離す。斧も当てて叩くかバトニングの方が安全で、柄に当て続けると内部に亀裂が入り、振ったときに刃が飛ぶことがある。振り下ろす場合は体の正面ではなく少しずらして構え、腕が伸びきった位置で薪に当たるようにする。