斧

焚き火・火器

斧は、太い薪を割って火を大きくするための道具。

どんな道具?

薪を縦に割るための道具で、刃の鋭さより頭の重さと繊維の向きで割ります。市販の薪はそのままだと太くて燃えにくいことが多く、半分か四つ割りにするだけで火の立ち上がりが目に見えて変わります。焚き付け作りの起点になる道具です。

選び方

キャンプで使うなら全長40〜60cm、重さ800g〜1.5kgあたりが扱いやすい範囲です。短すぎると力が乗らず、長すぎると狭いサイトで振れません。英国のブッシュクラフト指導者ポール・カートリー(Frontier Bushcraft)は、柄が指先から胸骨の半分ほどの小型斧は持ち運びやすく細かい作業もでき、3/4ほどの長さになると梃子が効いて節の多い硬い薪も割りやすいと、冬キャンプ向けの選び方として話しています。安定した薪割り台とセットで考えると、選び方も使い方も失敗しにくくなります。

使い方のコツ

必ず薪割り台の上で、膝より低い位置を狙って振り下ろします。空振りしても足に届かない姿勢が大前提です。周囲2m以上に人がいないことを確かめ、薪の中心ではなく少し端を狙うと素直に割れてくれます。米国のキャンプ系チャンネルThe Bear Essentialsは、足を肩幅より広く開き、振りかぶらず膝を曲げて斧をまっすぐ下に落とす動きを勧め、外れても刃が体の正面の地面へ向かうので安全だと説明しています。薪を手で押さえたまま反対の手で振り下ろすのは厳禁で、不安定な薪は別の薪を添えて支え、上から軽く打ち込むとよいとも話しています。

手入れ・注意

使用後は樹液と水分を拭き取り、刃に薄く油を塗ってカバーを付けて保管します。柄が木製のものは乾燥で緩むので、使う前に頭のガタつきを毎回確認してください。刃こぼれしたまま使うと弾かれて危険です。警視庁「刃物の話」は、刃渡り6cmを超える刃物を正当な理由なく持ち歩くと銃刀法に、人目につかないよう車内に隠し持つと軽犯罪法に触れうるとしています。帰宅後も鞘を付けたまま車内に積みっぱなしにすると法に触れかねず、亀ちゃんの外あそび(YouTube)は、すぐ使える状態で人目につく場所に置かず、片付けを後回しにしないよう勧めています。

出典

  1. 公的機関 警視庁 刃物の話
  2. 動画 亀ちゃんの外あそび 【マジで捕まるよ】意外と知らないキャンプ用ナイフ&斧の落し穴!全キャンパーに知って欲しいこと!【徒歩でも車でも要注意】
  3. 動画・英語 The Bear Essentials How To Split Firewood Like A Pro While Camping
  4. 動画・英語 Paul Kirtley(Frontier Bushcraft) Choosing An Axe For Winter Camping And Travel

解説動画: 斧の振り下ろし方と薪割り台の高さ/プラウPLOWチャンネル

概要: 斧の基本として、両手の使い方と薪割り台の高さという二点を実演で説明している。どちらも力任せに振ることではなく、空振りしても安全に止まる持ち方と、ヘッドスピードが自然に乗る高さが要点だという内容になっている。

振り下ろしと手のスライド: 両手を離した構えのまま、その形で殴り下ろすのは危険なやり方で、空振りしたときに肘が伸び切ってしまう。正しくは振り下ろしながら上の手を柄に沿って滑らせ、最後は両手がそろう形にする。下の手はしっかり握っておくと、空振りしても振り抜きを止められる。

薪割り台は低めがよい: 40cmほどの高さの台を使っている人が多いが、効率という点ではよくない。斧は振り始めから徐々に加速していき、ヘッドスピードが最大になるのはおおよそ膝くらいの高さなので、台が高いと加速しきる前に当たってしまう。台を低くすれば助走の距離が稼げ、力を入れなくてもスピードが乗る。