シングルバーナー
焚き火・火器
シングルバーナーは、一人分の湯と料理をまかなう火。
どんな道具?
ガス缶に取り付けて使う小型のコンロで、ソロキャンプでは調理の主役になります。焚き火が使えない場所や雨の日でも食事の段取りが崩れません。缶の上に本体を直接載せる直結型と、ホースでつなぐ分離型の二種類があります。直結型は畳めば小さくまとまり、分離型は鍋の重心が地面に近くなるぶん安定します。専用のクッカーとセットになった型は熱効率がよく、湯を素早く沸かせます。点火装置が付いた型もありますが、気温が低いときや結露で湿ると作動しないことがあるため、ライターを予備に持つと安心です。
選び方
ソロで小さいクッカーを使うなら直結型で十分に安定します。ただし直結型に大きな鍋を載せると、鍋の重心が地面から離れ、こぼれやすくなると、山と溪谷の解説は指摘しています。大きな鍋を使うなら分離型のほうが安定します。ただし重く、収納サイズも大きくなります。いつも使う鍋を載せて、ぐらつかないかを確かめてから買うと失敗が減ります。寒い場所では缶のガスが気化しにくく、火が出にくくなることがあるため、気温に合ったOD缶を選びます。直結型は小さく収まり、ソロの荷物に入れやすい点が強みです。
使い方のコツ
平らな場所に置き、五徳を開いてから点火し、鍋を載せてから火力を調整します。ガス缶の取り付けは、スイッチを切った状態で、力で押し込まず位置を合わせてから差し込み、ロックを確かめてから使います。テントや幕の中で使うと、一酸化炭素が溜まり中毒のおそれがあります。Thurman ら(2023年)の実験は、3シーズンテント内でイソブタン・プロパン燃料のストーブ3台を15分使い、台によってCOの平均値に差が出たと報告し、密閉空間では使うべきでないと結論しています。れんがで囲ったり、鍋で覆ったりすると、ガス缶が加熱されて内圧が上がり、破裂したケースがあります。
手入れ・注意
使用後は、5分以上冷ましてからガス缶を外すのが基本です。英語の使い方動画(XChange.Survival)も、火を消した直後は受け皿が熱いままなので、缶を外すまでは触らないよう説明しています。外した缶は、キャップを戻してから収納します。吹きこぼれは五徳とバーナーヘッドの目詰まりになるので、冷めてから拭き取っておきます。点火装置は、気温が低いときや結露で濡れると作動しなくなることがある(山と溪谷の解説)ので、しっかり乾かしてからケースに入れて保管します。
出典
- 論文・英語 Thurman JT, Leavitt R, Buchanan JT, Shreffler J, Huecker MR, Early T(2023) Carbon Monoxide Levels Produced by Propane/Isobutane Canister Stoves inside a Tent.
- 公的機関 製品評価技術基盤機構(NITE)(2021) 製品安全情報マガジン Vol.380「キャンプ用品の事故」
- 動画・英語 XChange.Survival How to use a Portable Gas Stove (Children/Youth)
- 動画 山と溪谷ch. 登山用ガスバーナーの選び方を解説!
解説動画: シングルバーナーの種類と選び方/アウトドアーズチャンネル
概要: 焚き火や炭火での調理は楽しいが、短い時間しか火を使わない日や、雨風の強い日には火起こしが面倒になる。そんなときバーナーが一つあれば湯が沸かせ、簡単な料理ならこれだけで完結する。ツーバーナーに比べて小さく軽く、価格も手が伸ばしやすいため、最初の一台にはシングルバーナーが向くとしている。
一体型の縦型: OD缶の上にバーナーを直接セットする、最もよく見かけるタイプ。軽くて小さく、価格も安いので、荷物を減らしたい人に向く。使用時に場所を取らないため、小さなテーブルや限られたスペースでも使える。一方でバーナーの位置が高いうえ五徳も小さく設計されているので、大きめの鍋を載せると不安定になる
一体型の横型: CB缶を横向きに置いて使うタイプ。OD缶より安く手に入りやすいCB缶が使え、ランニングコストを抑えられるのが利点。本体とガス缶がどちらも地面に接するのでぐらつきが少なく、バーナーの位置も低いぶん安定感がある。反面、缶を横に置くので場所は取る。構造上バーナーの熱が缶に伝わりやすく、熱くなりすぎると危険なため長時間の使用には向かない
分離型: バーナーとガス缶が離れているタイプ。バーナーを直接地面に置けるので重心が低く、ぐらつきが少ない。五徳も大きいため、大きめの鍋やダッチオーブンも載せられ、家庭のコンロに近い感覚で使える。ガス缶に熱がこもりにくく、煮込みのように長時間火を使う調理でも安心して使える。一体型より重く、価格も1万円前後と高くなる
用途で選ぶ: どのタイプにも一長一短があるので、自分の使い方に合うものを選ぶのがよいと結論づける。バイクや徒歩、登山など荷物を減らしたいなら一体型の縦型、ガス代を抑えたいなら横型、ファミリーや長時間調理なら分離型。 後半では人気モデルの新旧を比べており、300mlの湯沸かしはどちらも2分半ほどでほぼ差なし。ただしバーナーヘッドが大きい新型は、鍋底全体にむらなく熱が回る様子が確認できたとしている。