言い伝え図鑑

夕焼けは晴れ(空の色と光の言い伝え)

見ているのは、西の空の雲の少なさです。低い太陽の光が長い大気の道を通って青い側が散らされ、残った赤が届くには、西側が開いている必要があります。気象庁 秋田地方気象台は、一般のことわざを並べた欄の先頭に「夕焼けは晴れ、朝焼けは雨」を置き、根拠のあるものの代表として本文でも取り上げています。…

朝焼けは雨(空の色と光の言い伝え)

赤いのは東、雲があるのは西です。朝の低い太陽の光が東の開いた空から差し込み、頭上を越えて西側にある雲の底を照らしたときに、朝焼けは広がります。気象庁 秋田地方気象台の一般のことわざ欄は、「夕焼けは晴れ、朝焼けは雨」と一続きで載せています。海上保安庁 留萌海上保安部の全国共通の欄はもう少し細かく、「朝焼けは…

朝虹は雨(空の色と光の言い伝え)

朝の虹は、西の空にしか立ちません。虹は太陽と正反対の対日点を中心とした輪なので、太陽が東にある時間帯には、雨粒は西側にあることになります。気象庁 秋田地方気象台は、一般のことわざの欄に「朝にじは雨、夕にじは晴れ」を一文で載せています。虹の色や形ではなく、出た向きだけで読み取るのがこの言い方の要点で、前半が朝…

夕虹は晴れ(空の色と光の言い伝え)

夕方の虹は、東の空に立ちます。太陽が西へ回った時間帯には対日点が東側へ移るので、光を返している雨粒は通り過ぎた側にあることになります。気象庁 秋田地方気象台の「朝にじは雨、夕にじは晴れ」は、その後半がこちらにあたります。朝虹は雨と一組で引かれ、同じ虹を、出た時刻と方角で読み分ける形になっています。…

太陽に暈がかかると雨(空の色と光の言い伝え)

薄い氷の雲が、空をおおった印です。太陽のまわりに白い輪が見えるのは、上層に巻層雲が広がり、氷の結晶が光を曲げているときに限られます。気象庁 秋田地方気象台は「月(太陽)に傘がかかると雨」を挙げ、根拠のあることわざの代表として本文の冒頭で解説しています。…

遠い山が近くに見えると雨(空の色と光の言い伝え)

測っているのは、空気の透明度です。遠い尾根の輪郭がどこまで細かく見えるかで、その日の大気にどれだけ粒が浮いているかを読んできた言い方です。気象庁 秋田地方気象台の一般のことわざ欄にある一件で、「遠い山が近くに見えると雨」と伝わってきました。同じ欄に並ぶ夕焼けは晴れや朝焼けは雨が空の色を見ているのに対し…

飛行機雲が消えないと雨(雲の言い伝え)

残るか消えるかは、飛行高度の空気しだいです。上層が湿っていれば筋は幅を増して巻雲と見分けがつかなくなり、乾いていれば短い時間で消えます。気象庁 秋田地方気象台は、雲のことわざの欄に「飛行機雲が消えないで広がると雨、消える場合は晴れ」を挙げています。同じ空に出た同じ筋を、残る時間だけで読み分けるのがこの言い方の特徴で…

さば雲が出ると時化になる(雲の言い伝え)

さば雲・いわし雲・うろこ雲は同じ雲です。分類の名は巻積雲で、海の側では、この雲が出た空を時化と結びつけて語り継いできました。海上保安庁 留萌海上保安部の全国共通の欄に「鯖雲出れば時化となる」があり、平成6年に編集された資料から引かれています。同じ欄の別の項には「うろこ雲(いわし雲とも言う)」と呼び名が並記されています。…

山に笠雲がかかると雨風(雲の言い伝え)

山頂に乗った笠雲は、風がぶつかった跡です。低気圧や前線に吹き込む湿った気流が斜面を駆け上がって冷え、雲に変わったもので、風の強さと湿りが同時に形へ出ています。海上保安庁 留萌海上保安部は、全国共通のことわざの欄に「山に暈雲(笠雲)がかかれば雨風の前兆」を挙げています。同じ資料は…

波のような雲が出ると雨(雲の言い伝え)

波の形は、二つの層の境目に出ます。上下で風速の違う空気が擦れ合うと境目が波打ち、湿った空気があるところでは波の山だけが雲になって、畝の並びが空に見えます。気象庁 秋田地方気象台は、雲のことわざを並べた欄に「波のような雲が現れると雨」を載せています。指しているのは空一面に畝や筋が平行して並んだ姿で…

風に向かって立ち雲が横に流れると雨(雲の言い伝え)

読んでいるのは、風と雲の角度差です。地上の風に体を向けて立ち、頭上の雲がどちら側へ横切っていくかを見る、道具を一つも使わない観天望気の形になっています。気象庁 秋田地方気象台は、雲のことわざの欄に「風に向かって立ち、雲が横に流れていくと雨」を挙げています。体の向きと空の流れだけで読むところがこの言い方の要点で…

かなとこ雲は恐ろしい(雲の言い伝え)

頭が平らな雲は、天井に届いた印です。積乱雲の頂が対流圏界面にぶつかって上へ伸びられなくなり、風下側へ広がった姿で、雷やひょうを伴う雲として警戒されてきました。海上保安庁 留萌海上保安部は、全国共通のことわざの欄に「かなとこ雲は恐ろしい」をそのままの形で載せ、雷・ひょう・風を伴うので注意を要すと添えています。…

物の響きがよく聞こえると雨(音・生きもの・体の言い伝え)

遠くの音が近いのは、音の道が曲がるからです。地面の近くが冷えて上空のほうが暖かい重なりになると、上へ向かった音が下向きに折り返され、普段は届かない距離まで運ばれます。気象庁 秋田地方気象台は、「物の響き(汽車・鐘・川瀬等)がよく聞こえると雨」を音の言い伝えとして挙げています。…

ツバメが低く飛ぶと雨(音・生きもの・体の言い伝え)

ツバメが見ているのは、空ではなく虫です。餌になる小さな虫の飛ぶ高さが上下すれば、それを追う鳥の高さもいっしょに動くので、飛び方は虫の高さの写しになります。気象庁 秋田地方気象台は、天体や動物にまつわる言い伝えの欄に「ツバメが高く飛ぶと晴れ、低く飛ぶと雨」を載せています。高い低いを対にした形で残っているのが特徴で…

雨がえるが鳴くと雨(音・生きもの・体の言い伝え)

鳴き声の大半は、雨ではなく繁殖の合図です。水辺に集まったニホンアマガエルの雄が雌を呼ぶ声で、湿りや気温の変化で鳴き出すことはあっても、目的は天気の知らせではありません。気象庁 秋田地方気象台の天体・動物の欄に「雨がえるが泣くと雨」の形で載っており、泣くの字は原文のままです。全国どこでも通じる言い方で…

猫が顔を洗うと雨(音・生きもの・体の言い伝え)

猫の仕草には、空とつながる道が見つかっていません。顔を洗う動きは食後や起き抜けに一日何度も出るグルーミングで、雨の日だけ増えると確かめた観測が見当たらないためです。気象庁 秋田地方気象台は、天体・動物の欄に「猫が顔を洗う(耳をこする)と雨」を挙げています。耳をこするところまで書き添えられているのは…

櫛が通りにくいと雨(音・生きもの・体の言い伝え)

髪が湿度計として働いています。毛髪は水蒸気を吸うと伸びてふくらむので、空気が湿った朝は櫛歯との摩擦が増し、通りが重くなります。気象庁 秋田地方気象台は、観天望気のことわざを集めた表の「その他」の欄に「櫛が通りにくいと雨」を挙げています。空も生きものも出てこず、自分の髪の手ざわりだけで空気の湿りを読む言い方です。…

あかぎれが痛むと晴れ(音・生きもの・体の言い伝え)

痛むのは、乾いた空気が来ているからです。冬型の気圧配置で北西の風が山を越えると、太平洋側には水分を落としたあとの空気が吹き下ります。「あかぎれが痛むと晴れ」は、気象庁 秋田地方気象台がことわざを集めた表の「その他」の欄に載せている一件です。あかぎれは指先や手のひらの皮膚が乾いて裂けたもので…