朝虹は雨
空の色と光の言い伝え
朝の虹は、西の空にしか立ちません。虹は太陽と正反対の対日点を中心とした輪なので、太陽が東にある時間帯には、雨粒は西側にあることになります。
どう言われているか
気象庁 秋田地方気象台は、一般のことわざの欄に「朝にじは雨、夕にじは晴れ」を一文で載せています。虹の色や形ではなく、出た向きだけで読み取るのがこの言い方の要点で、前半が朝、後半が夕虹は晴れです。一つの文の中で朝と夕が対にされており、出た時刻で意味が裏返る数少ない言い方になっています。
空で実際に起きていること
虹は、太陽と正反対の方向にある対日点を中心とした輪の一部です。気象庁『気象観測の手引き』は主にじを半径40〜42度の弧と定めています。太陽が東にある朝は、その中心が西の地平の下に来るため、虹は西側の空に立ちます。つまり光を返している雨粒は、見ている人から西にあることになり、主虹の位置がそのまま雨粒の位置を指します。
どこまで当たるか/どんなときに外れるか
支えているのは、日本付近の気圧系が西から東へ動いてきた観測の積み重ねです。西にある雨粒が同じ向きに移ってきた例が多く、海上保安庁 留萌海上保安部の資料も天気東遷という語でこの筋を説明しています。外れるのは夏の局地的な対流や、山越えで降る雨のときで、西の雨粒がそのまま流れてくるとは限りません。
この言い伝えが見ている雲・現象
見ているのは虹そのものではなく、西側に立っている雨粒の壁です。自分の影が伸びる先が弧の中心にあたる対日点なので、朝はその向き、つまり西の低い空に足を探すことになります。しゅう雨のように区切りのある降り方なら壁の幅は狭く、面で広く降っているときは虹の足が地平まで続きます。色の並びや二重に見えるかどうかは副虹の側の話で、この項目は壁がどちら側にあるかだけを受け持ちます。