さば雲が出ると時化になる
雲の言い伝え
さば雲・いわし雲・うろこ雲は同じ雲です。分類の名は巻積雲で、海の側では、この雲が出た空を時化と結びつけて語り継いできました。
どう言われているか
海上保安庁 留萌海上保安部の全国共通の欄に「鯖雲出れば時化となる」があり、平成6年に編集された資料から引かれています。同じ欄の別の項には「うろこ雲(いわし雲とも言う)」と呼び名が並記されています。サバの背の斑を見立てた名で、時化は気象庁の予報用語で「強風のため海上が荒れること」と定義された語です。
空で実際に起きていること
留萌海上保安部の資料は、この雲を性質の異なる二つの空気が接している前線面があるときにできる雲だと説明しています。分類上の名は巻積雲で、気象庁『気象観測の手引き』は小さい白色の雲片が群れをなし、うろこ状またはさざ波状に並ぶ、陰影のない雲としています。上層まで湿りが届いて、氷の雲が細かく並んだ状態です。
どこまで当たるか/どんなときに外れるか
取り違えの相手は高積雲で、ここが外れの入口になります。気象庁『気象観測の手引き』は雲片の見かけの幅を、巻積雲は1度以下、高積雲は1度から5度と分けています。同じ手引きの視程の章には、腕をいっぱいに伸ばした小指の幅がおよそ1度、4指をそろえた幅がおよそ5度と見積もれるとあり、指1本に収まるかどうかが分かれ目です。
この言い伝えが見ている雲・現象
見ているのは、前線面に沿って上層まで届いた湿りです。温暖前線の手前で観測されてきた並びで、雲片が細かいほど高いところの話になります。海の側の言い方なので、当たり外れは陸の雨よりも風と波の側で語られてきました。角度計や指の幅で雲片を測れば、さば雲と呼ばれてきた雲がどちらだったかが分かります。