波のような雲が出ると雨

雲の言い伝え

波の形は、二つの層の境目に出ます。上下で風速の違う空気が擦れ合うと境目が波打ち、湿った空気があるところでは波の山だけが雲になって、畝の並びが空に見えます。

どう言われているか

気象庁 秋田地方気象台は、雲のことわざを並べた欄に「波のような雲が現れると雨」を載せています。指しているのは空一面に畝や筋が平行して並んだ姿で、雲の高さや色ではなく並びのかたちだけで呼ばれてきました。分類の上での名前は波状雲にあたり、高いところの巻積雲から低い層積雲まで、どの高さの雲にも付く変種として扱われています。畝が空を横切る向きは、その高さの風の向きを映しています。

空で実際に起きていること

風速の違う空気が上下に重なると、その境目は擦れ合って波打ちます。湿った空気がそこにあれば、波の山になった上昇する側だけが冷えて雲になり、下がる谷は晴れて残るため、畝と隙間が交互に並びます。境目のできかたは二通りあり、暖かい空気が前線の面に沿って乗り上げるときと、山を越えた気流が風下に定在波を作るときです。気象庁『気象観測の手引き』は後者を、山の風下にできるレンズ雲や波状雲の例として挙げています。

どこまで当たるか/どんなときに外れるか

湿った層が上に乗ってきた側の波であれば、雲が厚みを増していく過程の途中を映しています。山越えの波は風が強いだけで湿りが増えていないことがあり、同じ形でも中身が違います。空一面のうろこ模様を指すさば雲が出ると時化になるとも見た目が重なるので、雲片が一方向にそろって畝を作るか、粒がまだらに散らばるかで分けます。畝の向きが風と直角に並び、間隔がそろっているのが波の側の目印です。

この言い伝えが見ている雲・現象

この言い方が指しているのは雲の姿より、その下に隠れている層の境目のほうです。境目の高さは雲の種類から見当がつき、細かい粒がそろえば巻積雲の高さ、灰色の塊が並べば層積雲の高さになります。同じ空に二段の畝が違う向きで並ぶこともあり、そのときは上下で別々の境目が波立っています。境目そのものは目に見えないため、畝の並びがその位置を知らせる印として働きます。