太陽に暈がかかると雨

空の色と光の言い伝え

薄い氷の雲が、空をおおった印です。太陽のまわりに白い輪が見えるのは、上層に巻層雲が広がり、氷の結晶が光を曲げているときに限られます。

どう言われているか

気象庁 秋田地方気象台は「月(太陽)に傘がかかると雨」を挙げ、根拠のあることわざの代表として本文の冒頭で解説しています。海上保安庁 留萌海上保安部の全国共通の欄にも「暈がかかると天気が悪くなる」があり、薄い雲があるときに太陽や月のまわりにできる白色の光の輪が暈だと書かれています。傘とも暈とも書かれてきた言い方です。

空で実際に起きていること

気象庁『気象観測の手引き』は暈を、大気中の氷の結晶で光が屈折または反射して生じる光の輪と定義しています。最も多いのは半径22度の内暈で、半径46度の外暈はときどき観測されるとされます。暈を生ずる雲は巻層雲で、高層雲では生じません。見るときは太陽本体を直接見ない、双眼鏡を太陽に向けないことが前提になります。

どこまで当たるか/どんなときに外れるか

留萌海上保安部の資料は、温暖前線や低気圧が近づくと、すじ雲やうす雲が現れ、次第に低い雲となるという順番でこの言い方を説明しています。当たる側の理屈はこの雲が下がっていく順番にあり、温暖前線の手前で観測されてきた並びです。外れるのは上層の氷の雲だけが流れてきて、下の雲が続かないときで、輪が出ても順番が始まらない空があります。

この言い伝えが見ている雲・現象

見ているのは輪そのものではなく、輪を作っている上層の氷の雲が、どこまで広がっているかです。全天をおおう巻層雲は前線の先ぶれとして観測されてきた雲で、同じ氷の雲からは幻日や光の柱が生まれることもあります。太陽のきわに接して色づく光環は半径の小さい別の輪なので、輪が太陽から離れた位置に立っているかを先に確かめます。夜の月の暈は昼の空の話から外れるため、この図鑑では扱いません。