飛行機雲が消えないと雨

雲の言い伝え

残るか消えるかは、飛行高度の空気しだいです。上層が湿っていれば筋は幅を増して巻雲と見分けがつかなくなり、乾いていれば短い時間で消えます。

どう言われているか

気象庁 秋田地方気象台は、雲のことわざの欄に「飛行機雲が消えないで広がると雨、消える場合は晴れ」を挙げています。同じ空に出た同じ筋を、残る時間だけで読み分けるのがこの言い方の特徴で、雲の形や色は問いません。空を横切る一本の筋が上層の湿り具合を測る目印として使われてきた、数少ない例です。

空で実際に起きていること

気象庁「はれるんランド」は飛行機雲を、上空の温度が低く湿度の高い空気の中に、温度の高い排気が出て小さな水滴になる現象と説明し、上空の温度や湿度によってできるときとできないときがあるとしています。氷に対して過飽和の層では蒸発せずに幅を増し、巻雲と見分けがつかなくなります。WMO 国際雲図帳は10分以上残った筋を Cirrus homogenitus と呼びます。

どこまで当たるか/どんなときに外れるか

上層が湿っているのは、前線や低気圧の前面で観測されてきた形で、当たる側はここに支えられています。外れるのは上層だけが湿り、下層は乾いたままの日で、筋が何本残っても地上付近の空気は乾いています。気圧の谷が通るだけで湿る層は入れ替わり、筋が測っているのは飛行高度の一枚だけです。その高度を機体が通らなければ筋そのものが出ないので、筋を見かけない日が乾いている日とは限りません。

この言い伝えが見ている雲・現象

見ているのは飛行機雲そのもの、正確には消えるまでの時間です。数十秒で切れる筋なら飛行高度は乾いており、十分以上残って幅を増す筋なら湿っています。広がりきると自然にできた薄い雲と区別がつかなくなるため、読み取れるのは出たばかりの筋を目で追っている間に限られます。同じ空に消える筋と残る筋が混じって出ることがあり、そのときは高さの違う航路が、湿り方の違う層をそれぞれ通っていることになります。