カンガルースタイル用インナー
テント・タープ
カンガルースタイル用インナーは、シェルターの中に入れる小さな寝室。
どんな道具?
大きなシェルターやタープの下に入れて使う、床付きの小型テントです。外幕と二重になるため風と冷気を二段で防げ、雨の日でも濡れずに寝室を出入りできるのが最大の利点です。
選び方
先に外幕の内寸を測り、四隅に余白が残るサイズを選ぶのが基本です。高さ100cm前後の低いものなら、シェルターの傾斜した壁ぎわにも収まります。自立式ならペグの打てない床の上でもそのまま置けます。
使い方のコツ
外幕を立ててから中に入れ、出入口を外幕の出入口と違う向きにすると行き来が楽になります。換気の不十分な場所でたき火や調理をすると一酸化炭素中毒のおそれがあると、NITE(製品評価技術基盤機構)は注意しています。韓国の2010〜2014年の報告では、キャンプ中の中毒72人の原因はガスストーブとテント暖房用の炭でした。カートリッジ式ストーブ3種でテント内の水を沸かして15分測った実験でも濃度に差があり、著者らは閉じた空間で使わないよう結論づけました。閉め切った外幕の中も同じ条件になりうるため、火は屋外で使ってください。
手入れ・注意
二重になるぶん結露は外幕側に集まるので、朝は外幕を先に乾かすと全体が早く片づきます。インナーの床には砂が入りやすく、砂を残したまま畳むと生地がこすれて薄くなるため、裏返して払ってから収納します。
出典
- 公的機関 製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全センター テント「1. 一酸化炭素中毒に注意」
- 論文・英語 Kim YJ ほか(2016) Carbon monoxide poisoning during camping in Korea
- 論文・英語 Thurman JT ほか(2023) Carbon Monoxide Levels Produced by Propane/Isobutane Canister Stoves inside a Tent
解説動画: カンガルースタイル用インナーテント5種を広さ・重さ・設営時間で比べる/CAMP HACK
概要: カンガルースタイルは、大きな幕やタープの下に小さなテントや蚊帳を入れてそこで寝るやり方。テントとタープを別々に立てる従来のやり方に比べ、幕を張ったあとに小さなインナーを足すだけなので設営も撤収も短く済む。サイトの下で寝室まで完結するため、狭いキャンプ場でも成立する。設営・プライバシー・機能性・携帯性の4点で5種類を比べている。
軽くて涼しいメッシュ系: ワンポール型のメッシュインナーは収納51cm・1.14kgで、ポール4本を組んでフックで留めるだけの1〜2分設営。長さ210cmでマット1枚ぶんの一人用になる。ポールを内蔵しない三角形のメッシュテントは28cm・680gと最軽量で、タープ用ポールやトレッキングポールを立てる代わりに設営は6分ほどかかる。床が立ち上がったバスタブ型で砂が入りにくい。
一瞬で立つポップアップ型: ポップアップ式のメッシュシェルターは直径60cm・厚さ4cmと薄く、車の隙間に差し込める。広げれば設営は一瞬で、撤収も10秒かからない。ただし頭側に圧迫感があり、身長175cmを超えると窮屈に感じる。フレームが柔らかいので強風だとしなって変形するため、幕の外で単体では使わないほうがいい。バックルでコットに固定できる。
広さと快適さで選ぶTC・コットン系: TC素材のソロテントは収納45cm・4.2kgと重いものの、マット2枚ぶんの広さで思いきり寝返りが打て、設営は約5分。1万2499円と価格も抑えめ。コットン100%のモデルは70cm・4.3kgで、傘を開くようにフレームを広げて30秒から1分で立つ。遮光性が高くて幕内の温度が上がりにくく、通気がいいので湿度も安定して結露が少ない。
選び分けと注意点: メッシュ系は安くて軽く涼しい代わりに外から丸見えで、オープンタープの下で使うなら、就寝時は貴重品や高価な道具を車にしまうなどの防犯対策がいる。布やコットンのモデルは完全に閉め切れるのでその心配がない。時短を最優先するならポップアップ、寝心地と広さを取るならコットンやTCと、手持ちの幕の大きさに合わせて選ぶ形になる。