フライシート

テント・タープ

雨と日射を受け止める外側の幕

どんな道具?

テントの外側をおおい、雨と日差し、夜露を受け止める幕です。内側のインナーとのあいだに空気の層をつくり、結露を寝室から遠ざける役割も持ちます。濡れたフライが内側に触れていると、雨漏りのように浸みてきます。

選び方

耐水圧1,500mm前後が一般的な目安で、数字が高いほど蒸れやすい面もあります。縫い目にシームテープが貼られているかは雨天の快適さを大きく左右します。ベンチレーターの数と前室の広さも合わせて見ましょう。

使い方のコツ

インナーと接触しないよう全体に均一なテンションをかけて張るのが要点で、たるみがあるとそこに雨だまりができます。夜のあいだに緩むこともあるため、寝る前と雨が降り出したときに張り直す習慣をつけると安心です。

手入れ・注意

撥水は使ううちに必ず落ちます。水をかけて玉にならなくなったら撥水剤の掛け直しどきです。高温の車内に積みっぱなしにすると防水層の加水分解が早まるので、帰宅したら室内に移して保管してください。

解説動画: フライシートの生地の厚さとポール素材で見るテント選び/Bears Rock公式チャンネル

概要: 形や大きさではなく、テントを支えるポールの種類とフライシートの生地の厚さという視点でテント選びを解説している。同じように見えるテントでも大きさによって使われる部材が違い、フライは厚さの単位、ポールは素材で性格が分かれる。そこを知っておくと選ぶときの判断材料が増える、という組み立てになっている。

生地の厚さを表すTとD: フライシートは190Tや150Dといった単位で厚さが表される。ナイロンはT(タフタ)、ポリエステルはD(デニール)で表記するため、この2つを厳密に比べることはできず、数字の大小だけで厚い薄いを判断できない。目安として、190Tはおよそ70D程度の厚さにあたると考えておけばよいという。

190Tと150Dの使い分け: 190Tは薄くて軽く扱いやすいうえ、薄くてもUVカットも防水も問題のないレベルにあり、テントによく使われるのはこちら。150Dは厚く重い分、UVと防水に加えて遮熱性まで高いものの、テントに被せる作業がかなり大変になる。機能面では190Tで十分足りるので、150Dは遮熱の効くタープ向きだとしている。

グラスファイバーのポール: テントポールの素材はグラスファイバー、アルミ、スチールが代表格。グラスファイバーは弾力があるかわりにアルミより少し重い。アーチ型の骨組みに向くが、高さ180cm以上のテントでは弾力が足りず風でたわむため、160cm以下の小さめのテント向き。接続金具で角度をつけてコの字に組めるので、キャノピー部分に特に適している。

アルミとスチールの違い: アルミの9mmは軽くて弾力があり、つなぎ目もすっきりしていて小さめのテント向き。12mmは軽さと耐久性のバランスがよく、太くて簡単には曲がらないのであらかじめ曲げ加工が施され、多少大きなテントにも対応する。高さ180cm以上なら弾力のないスチール製で、力を跳ね返す強度がある反面重くて持ち運びは大変になる。

解説動画(海外・英語): 10 Tips To Reduce CONDENSATION In Your Tent/Oscar Hikes

結露は「湿度」と「内外の温度差」の2つで決まる: 結露はテント内の暖かい空気が、冷えた生地に触れて起きる。原因は2つだけで、テント内の湿度と内と外の温度差。つまり湿度を下げるか、温度差を小さくすれば結露は減る。以下はその2つを下げるための具体策。

いちばん効くのはテントの構造(ダブルウォールかシングルウォールか): ダブルウォールはメッシュ等の通気するインナーと、その上を覆う防水のフライシートの2枚構成。シングルウォールは防水生地が直接バスタブ床に付く1枚構成。ダブルウォールはテントの外周にぐるりと隙間があるので結露そのものが出にくく、出てもフライ側に付くのでインナーには触れず、道具も濡れない。シングルウォールは結露が出やすく、しかも体や道具が直接それに触れる。結露を根本から避けたいならダブルウォールを選ぶ、ただしそのぶん重くなる。加えて高さと壁の角度が足りないテントだと、寝袋の足元や頭が壁に触れて濡れるので寸法も見る。前室が2つ、通気口が複数あるものが望ましい。

張る場所で結露はかなり変わる: テントを買い替えられないなら、次に効くのが設営場所。開けた原っぱや尾根より、木の下のほうがほぼ常に良い。木の下はわずかに暖かい微気候になり、温度差が小さく、湿度も朝露も少ない。ただし頭上に枯れ枝や枯れ木が無いか必ず確認する。標高も同じで、谷底は湿って冷え、尾根の上は風が強く寒いので、その中間に張る。そして湖・川・湿地、小さな沢のそばも避ける。空気が冷たく湿っていて結露が増える。

テントの中でやってはいけないこと: 雨でなければ前室を片方、できれば両方開けておく。空気が流れて結露はほぼ消える。雨や霧の夜は閉めざるを得ず、その日は多少の結露は避けられない。前室下の隙間をバックパックなどで塞がない(通気が落ちる)。テント内で調理しない。温度差も湿度も上がるうえ、生地が匂いを吸って夜に動物を寄せる。濡れた靴下・靴・衣類をテント内に吊るさない。どうせ一晩では乾かず、湿気だけが増える。ゴミ袋やドライサックに隔離しておき、翌日に日光で乾かす。

自分の体が加湿器になっている: 呼吸と発汗で水分を失う以上、人間自体が加湿器なので、テントの中で過ごす時間が短いほど朝の結露は少ない。天気が許すなら食事も休憩も外で。さらに口呼吸は鼻呼吸に比べて失う水分がおよそ40%多いという研究を挙げて、寝るときの鼻呼吸まで勧めている。逆効果な対処として、足元を防水のバックパックやドライサックに突っ込むのは無意味。皮膚からの発汗で内側から濡れ、寝袋の足元が濡れて足が冷える。

減らせないぶんを「扱いやすくする」工夫: ガイロープは4本ともきちんと張る。頭と足元のたるみが取れて壁に触れにくくなる。さらに各ガイラインの下に短い棒を立てて、壁の角度を起こす方法も紹介している。ダウンの寝袋は撥水処理をしておくと、濡れてもロフトが潰れにくい(特に壁に触れやすい足元)。朝は前室を両方開けて道具を出し、コーヒーを淹れる20分ほど日に当てる。小さなマイクロファイバーのタオルで残った水滴を拭き取れば、夜また張るときに乾いた状態から始められる。