からだとことば図鑑
過眼線(頭と顔の名前)
顔を一本の線が横切るかどうかを見ます。嘴の付け根から目を通って後方へ抜ける帯を過眼線と呼び、日本鳥学会『日本鳥類目録 改訂第8版』の和名もこの部位名を土台にしています。嘴の付け根から目を通り、後方へ抜ける帯を指します。山階鳥類研究所の鳥類標識調査が使う部位名でも、この線は顔の目より上ではなく…
眉斑(頭と顔の名前)
人の眉にあたる位置に出る帯です。目の上を前後に走り、太さと後方への伸び方が種ごとに違うため、色が読めない距離からでも候補を絞る手がかりになります。目の上を前後に走る帯で、人の眉にあたる位置に出ます。前は嘴の付け根の上あたりから始まり、後ろは耳羽の上を通って首の脇へ抜けます。…
耳羽(頭と顔の名前)
図鑑が「頬」と書く場所と同じ面です。目の下から後方へ広がる羽の面で、線ではなく面として色や斑を読むところに、この語の使いどころがあります。多くの図鑑が「頬」と書く場所と同じで、目の下から後方にかけて広がる羽の面を指します。耳の穴はこの羽の下に隠れており…
冠羽(頭と顔の名前)
頭の上に立つ羽で、いつも立ってはいません。頭頂から伸びた羽を立てたり寝かせたりできる種があり、寝かせている間の輪郭はふつうの丸い頭に近づきます。頭頂から伸びる、まわりより長い羽を指します。羽を起こす筋肉があり、立てたり寝かせたりできるのがふつうで、鳴くときや興奮したときに立ち、落ち着くと寝ます。…
アイリング(頭と顔の名前)
目のふちをぐるりと囲む輪のことです。羽毛でできた輪と、皮膚が裸出してできた輪の二通りがあり、文献では眼瞼輪や眼輪とも書かれます。目の縁を囲む輪を指し、成り立ちは二つに分かれます。ひとつは短い羽毛が輪状に並んでできる輪で、地の羽色と違う色に塗られるため模様として見え、換羽で入れ替わります。…
嘴(頭と顔の名前)
羽ではなく、角質でできた鞘です。上嘴と下嘴からなる口の外側で、太さと長さと反りが、その鳥が何をどう食べているかと結びついています。上嘴と下嘴からなる口の外側で、骨の上を角質の鞘がおおった構造です。羽ではないので換羽で一斉に入れ替わることはなく、伸びながら先が摩耗して形が保たれます。付け根は額の羽毛に…
風切羽(翼と尾の名前)
翼の後ろの縁をつくる、長い羽です。外側から初列・次列・三列と並び、畳んだ翼で先端がどこまで届くかが、止まっている鳥でも読める手がかりになります。翼の後縁をつくる長い羽で、翼を広げた時に面をつくる主役です。外側から順に、手にあたる部分に付く初列風切、前腕に付く次列風切、体に近い側の三列風切と並びます。…
雨覆(翼と尾の名前)
風切の付け根を、瓦のように覆う短い羽です。大・中・小の三つの層に分かれ、その先端の淡色が横一列に並ぶと、翼帯という一本の線になって見えます。風切羽の付け根をおおう短い羽の層です。屋根の瓦のように少しずつ重なりながら、翼の前寄りをおおいます。層は外から見える順に大雨覆、中雨覆、小雨覆の三つに分けられ…
翼帯(翼と尾の名前)
翼帯は、羽の名ではなく模様の名です。雨覆や風切の淡い先端が横に並び、畳んだ翼の上に線として浮かびます。本数と太さが、候補を絞る手がかりになります。雨覆や風切の先端が淡い色で縁取られ、それが横一列に並んでできる帯状の模様です。羽そのものの名前ではなく、模様の名前で、線を作っているのは雨覆の先端や大雨覆の白い縁です。…
翼鏡(翼と尾の名前)
翼鏡は、カモの翼にある光る面です。次列風切の一部が金属光沢を帯び、地味な羽の個体にも残るため、飛び立った一瞬の手がかりになります。カモ類の風切羽のうち、次列風切の外側に並ぶ金属光沢の面です。色素ではなく羽の微細な構造が光を返して出る色なので、当たる角度によって青にも緑にも見え、暗く沈むこともあります。…
尾羽(翼と尾の名前)
尾羽は、尾の付け根から生える羽そのものです。多くの小鳥で十二枚そろい、付け根は上下から尾筒に覆われているため、外からは見えません。尾の付け根から扇状に生える羽で、多くの小鳥では左右六枚ずつ、合わせて十二枚です。中央の一対から外側へ順に数え、いちばん外の一対が外側尾羽になります。…
外側尾羽(翼と尾の名前)
外側尾羽は、尾のいちばん外の一対です。畳むと内側の羽に隠れ、広げた瞬間だけ縁に出るので、飛び立ちや尾を振る動きに合わせて見ます。尾羽のうち、左右のいちばん外側に位置する一対を指します。尾を畳むと内側の羽の下に隠れ、広げたときにだけ縁として現れます。この位置の羽だけ色が違う種があり、白く抜けているものがよく目立ちます。…
漂鳥(暮らし方をあらわす言葉)
漂鳥は、国外へ渡らず国内で季節移動する鳥です。夏に山へ上がり冬に平地へ下りる型が代表で、同じ場所で一年中会えるとは限りません。日本の中で季節ごとに住む場所を変える鳥をまとめた区分です。国境をまたぐ渡りはせず、標高や緯度の方向に動きます。夏は里山の雑木林やより高い山地の林で繁殖し…
旅鳥(暮らし方をあらわす言葉)
旅鳥は、渡りの途中に通り過ぎるだけの鳥です。その土地では繁殖も越冬もしないため、会える時期が春と秋の短い期間に限られます。繁殖地と越冬地の間を移動する途中で、その土地に立ち寄る鳥を指します。そこでは巣を作らず、冬も越しません。数日から数週間休んで餌をとり、体を戻してから先へ進みます。…
換羽(暮らし方をあらわす言葉)
換羽は、古い羽が抜けて新しい羽に替わる過程です。多くの種は繁殖を終えた夏から秋に全身を替え、その間は姿が乱れて見えます。羽は伸びきると生きた組織ではなくなり、擦れても直せません。そのため一定の周期でまるごと抜け替えます。多くの種は繁殖を終えた夏の終わりから秋にかけて全身を替え…
夏羽と冬羽(暮らし方をあらわす言葉)
同じ個体が、季節で違う羽色になります。学術寄りには生殖羽・非生殖羽と呼び、名前の季節と実際に変わる時期はずれます。一羽の鳥が季節によって別の羽色をまとうことで、繁殖期の姿を夏羽、それ以外の時期の姿を冬羽と呼びます。学術寄りの書き方では生殖羽・非生殖羽です。色が変わる道筋は二つあり、換羽で羽そのものが入れ替わる場合と…
混群(暮らし方をあらわす言葉)
種の違う鳥が、ひとつの群れになって動くことがあります。冬の林でカラ類を芯にできる型が身近で、一羽見つけた先に別の種が続きます。種の違う鳥がひとつの群れとしてまとまり、同じ向きへ移動していく状態を指します。日本では冬の林にできる型がよく知られ、シジュウカラやエナガといったカラ類が芯になり、そこへコゲラなどが加わります。…
集団ねぐら(暮らし方をあらわす言葉)
夜を過ごすために鳥が集まる場所です。卵とヒナを育てる巣とは役割が違い、繁殖の終わった季節ほど大きくふくらみます。夜を過ごすためだけに、多数の個体が集まって眠る場所です。卵とヒナを育てる巣とは役割が別で、ねぐらには巣材も卵もなく、朝になれば全員が散ります。使うのは繁殖に加わらない個体も含む群れ全体で…
縄張り(暮らし方をあらわす言葉)
一定の空間を、ほかの個体から守る行動です。守る中身は季節で変わり、繁殖期のものと、冬の食べ物をめぐるものがあります。一定の空間を占め、ほかの個体を入れないように振る舞うことをこう呼びます。守る中身は季節で変わり、繁殖期のものは巣とその周りの採食場所を同種の雄から守る形が多くなります。もう一つが冬の採食縄張りで…
幼鳥(暮らし方をあらわす言葉)
巣立ってから最初の換羽を終えるまでの段階です。この時期の羽は成鳥と色も質も違い、同じ種とは思えない見た目になることがあります。巣を出てから、最初の換羽を終えるまでが、この段階です。巣立ち直後にまとっているのは幼羽で、成鳥の羽とは作りが違います。多くの小鳥は夏から秋にこれを換え、その後の羽を第1回冬羽と呼びます。…