冠羽

頭と顔の名前

頭の上に立つ羽で、いつも立ってはいません。頭頂から伸びた羽を立てたり寝かせたりできる種があり、寝かせている間の輪郭はふつうの丸い頭に近づきます。

どこを指すか

頭頂から伸びる、まわりより長い羽を指します。羽を起こす筋肉があり、立てたり寝かせたりできるのがふつうで、鳴くときや興奮したときに立ち、落ち着くと寝ます。常に立っているとは限らないため、図鑑の絵で立った姿だけを覚えていると、寝かせた個体を別のものとして扱いかねません。山階鳥類研究所の鳥類標識調査では頭部の羽の状態として記録され、繁殖期に伸びる飾り羽や夏羽と冬羽の違いと重なる種もあります。

見分けにどう効くか

立てている時にしか見えない形質なので、出ていないことを「無い」の証拠にはしません。手がかりを寝かせた状態にも残しておくのが要で、寝た冠羽は後頭が角ばる、または尾を引くように盛り上がる輪郭になります。正面ではなく真横から頭の線をたどると、寝かせていても段が出ます。立った瞬間の形は種を決めるのに強く効くので、河川敷のヨシ原と草地のように相手が落ち着いている場所では、数十秒見送ってから記録します。

似た語との違い

読みが同じ換羽と紛れます。冠羽は部位の名、換羽は羽が入れ替わる出来事の名で、文字で書き分けないと記録があとから読めません。もうひとつは風で頭の羽が乱れただけの状態で、これは起き上がる向きがそろわず、風下へ倒れます。冠羽は前から後ろへ一枚の面のように起き上がるため、乱れか冠羽かは羽先の向きがそろっているかで見ると分かれます。

身近な鳥で確かめる

ヒバリは田や草地で短い冠羽を立て、地上でさえずる間に立てたり寝かせたりをくり返します。冬の草地に来るカシラダカも頭の羽を立て、立てた時と寝かせた時で頭の形がまるで違うことを同じ個体で見比べられます。飾り羽との関係は山階鳥類研究所の鳥類標識調査の換羽の記録に当たると、伸びる時期が季節と結びついていることまで確かめられます。