夏羽と冬羽
暮らし方をあらわす言葉
同じ個体が、季節で違う羽色になります。学術寄りには生殖羽・非生殖羽と呼び、名前の季節と実際に変わる時期はずれます。
どこを指すか
一羽の鳥が季節によって別の羽色をまとうことで、繁殖期の姿を夏羽、それ以外の時期の姿を冬羽と呼びます。学術寄りの書き方では生殖羽・非生殖羽です。色が変わる道筋は二つあり、換羽で羽そのものが入れ替わる場合と、羽の縁が擦り切れて下に隠れていた色が出てくる場合があります。別の個体になったのではなく、同じ個体の同じ体で起きている変化なので、群れの中に途中の姿も並びます。
見分けにどう効くか
同じ種を別種と思い込む取り違えを防ぎます。季節をまたいで同じ場所を歩くと、頭の色や嘴の色が変わった鳥に出会い、名前の分からない鳥が増えたように見えます。まずこの種に夏羽と冬羽があるかを確かめてから、別の種を探すという順番になります。換羽の途中には、どちらとも言えない斑らな姿があり、そこでは決めきれないのがふつうです。組ごとの手順はマガモの繁殖羽とエクリプスのような項目にあります。
似た語との違い
名前の季節と、実際の時期がずれる点が要です。夏羽は夏に現れるとは限らず、春のうちに整う種があります。切り替えは繁殖の準備に合わせて進むため、冬の終わりのうちに色が出はじめる個体も混じります。冬羽への切り替えも同じで、繁殖を終えた夏の終わりから始まります。幼鳥の羽色は季節ではなく年齢による違いなので、これとは別に扱います。組ごとの見分けはユリカモメの夏羽と冬羽に譲ります。
身近な鳥で確かめる
ユリカモメは冬に頭が白く、耳のあたりに黒い斑が残ります。春が近づくと頭全体がこげ茶色の頭巾に変わり、同じ群れの中に、白い頭と黒い頭と、その途中の個体が並びます。ダイサギでは嘴の色が季節で変わり、その見分けはダイサギの夏羽と冬羽にまとめてあります。一度に決めず、同じ場所を月をまたいで見ます。並んだ途中の姿が、いちばんの説明になります。