過眼線
頭と顔の名前
顔を一本の線が横切るかどうかを見ます。嘴の付け根から目を通って後方へ抜ける帯を過眼線と呼び、日本鳥学会『日本鳥類目録 改訂第8版』の和名もこの部位名を土台にしています。
どこを指すか
嘴の付け根から目を通り、後方へ抜ける帯を指します。山階鳥類研究所の鳥類標識調査が使う部位名でも、この線は顔の目より上ではなく、目そのものの高さに置かれます。前端の始まりは種で違い、嘴の基部から立ち上がるものもあれば、目の前縁からしか出ないものもあります。後端も同じで、耳羽の途中で消える帯と、後頭まで抜ける帯があります。濃さより先に、どこからどこまで届く帯かを決めると、範囲が固まります。
見分けにどう効くか
遠目でも顔に線が一本通るかどうかは残ります。細かい斑が飛ぶ距離でも明暗の差は届くため、ハクセキレイとセグロセキレイのように顔の塗り分けで割れる組では、最初の数秒で候補が半分になります。効かない場面もはっきりしていて、順光で白く飛ぶと濃い帯まで薄れ、逆光では顔全体が影になって線が消えます。水面の照り返しの下でも同じです。線の有無を決めるのは、顔に光が斜めから当たっている向きのときだけにすると、取り違えが減ります。
似た語との違い
顔を上から下へ三段に分けると混ざりません。眉斑は目の上を走る帯で、過眼線と上下に並んで同時に出ることがあります。過眼線は目の高さそのものを通り、顎線は口の下から喉の脇へ下る帯です。三本がそろう顔もあるため、どれか一本だけを見て「線がある」と書くと、読み返しても位置が復元できません。目の上か、目の高さか、口の下かを先に決めてから濃さに移ります。
身近な鳥で確かめる
ハクセキレイは白い顔に黒い過眼線が一本通り、駐車場や川原の地面で近い距離から見られます。モズは目を通る黒い帯が太く、雄でははっきり、雌では褐色みを帯びて淡く出ます。同じ帯でも太さと濃さが性や齢で変わる例として並べておくと、線の有無だけで種を決めない癖がつきます。部位の呼び方は山階鳥類研究所の鳥類標識調査、和名は日本鳥学会『日本鳥類目録 改訂第8版』に合わせています。