集団ねぐら

暮らし方をあらわす言葉

夜を過ごすために鳥が集まる場所です。卵とヒナを育てる巣とは役割が違い、繁殖の終わった季節ほど大きくふくらみます。

どこを指すか

夜を過ごすためだけに、多数の個体が集まって眠る場所です。卵とヒナを育てる巣とは役割が別で、ねぐらには巣材も卵もなく、朝になれば全員が散ります。使うのは繁殖に加わらない個体も含む群れ全体で、ムクドリやハシブトガラスのように繁殖期の外でまとまる種で目立ちます。都市部では葉の茂った街路樹や竹やぶ、河川敷の林が使われ、数百羽から、条件がそろえば数千羽の規模になります。

見分けにどう効くか

夕方に空を横切る群れは、行き先まで読めます。日の入り前になると、あちこちから同じ方角へ帯のように流れ、暗くなるまでの30分ほどで吸い込まれていきます。ユリカモメのように、昼は市街地にいて夕方に水辺へ戻る種もあります。翌日の同じ時刻に、その方角を見ると同じ流れが繰り返されます。ただし場所は季節で移ります。落葉すれば葉の残る木へ動くため、去年の冬に見た並木が今年も使われるとは限りません。

似た語との違い

巣と混同されます。「あの木に巣がある」という言い方は、夕方に鳥が入っていく木を指して使われますが、入っていく先の多くはねぐらのほうです。巣は一つがいが卵とヒナのために作り、繁殖期のあいだだけ使うもので、数十羽が同時に入ることはありません。大勢で入り、朝に空になり、季節で場所が変わるなら、ねぐらと読みます。巣は鳥の家で一年中住んでいるという言い方とも、ここで分かれます。

身近な鳥で確かめる

夕方の街を歩けば、その日のうちに見当がつきます。街路樹の並木道では日の入り前後に声が集まり、真下に立てばふんと騒音が問題になっていることも分かります。朝は日の出の前後に散っていくので、昼に同じ木を見上げても何も残っていません。ムクドリのねぐらの声は、一羽ずつの声が溶けた連続音として届きます。同じ木を夕方と翌朝と昼の三度見ると、巣との違いがはっきりします。