耳羽

頭と顔の名前

図鑑が「頬」と書く場所と同じ面です。目の下から後方へ広がる羽の面で、線ではなく面として色や斑を読むところに、この語の使いどころがあります。

どこを指すか

多くの図鑑が「頬」と書く場所と同じで、目の下から後方にかけて広がる羽の面を指します。耳の穴はこの羽の下に隠れており、山階鳥類研究所の鳥類標識調査でも頭部の部位のひとつとして記録されます。線ではなくひとまとまりの面である点が過眼線などと違い、境目は前で目の下、上で眉の下、下で顎線の上にあたります。輪郭の細部より、面がどんな色で塗られているかを先に見るところです。

見分けにどう効くか

読み方は二つに絞れます。面がまるごと白く抜けるか、白い面の中に黒い斑が一つ入るかで、大きさの近い小鳥がはっきり分かれます。ヤマガラのように面が淡い一色に塗られる例もあり、横向きになった一瞬でも面の明暗は残るため、動きの速い相手に効きます。線ではなく面を見るのがここの要で、細い線を数えにいくと、枝かぶりや逆光でたちまち読めなくなります。面が一色か、模様が入るかまで決まれば十分です。

似た語との違い

顎線と過眼線は、どちらも線です。顎線は口の下から喉の脇へ下る帯、過眼線は目の高さを前後に通る帯で、いずれも耳羽の縁に接します。耳羽はその間にはさまれた面なので、線と面を同じ言葉でまとめると、位置を復元できない記録が残ります。俗に「頬斑」と呼ばれる言い方は面の中に出る黒斑を指しており、面の名と、面の中の模様の名を分けて書くと混ざりません。

身近な鳥で確かめる

シジュウカラは黒い頭の中で耳羽の面だけが白く抜け、街路樹や庭木で正面から見ても左右の白がそろって見えます。スズメは面が白く、その中に黒い斑が一つのります。二種を並べると、面が一色か、面の中に模様が入るかという読み分けがそのまま身につきます。どちらも地面に下りている時間が長く、距離を詰めずに数十秒あれば塗り分けまで確かめられます。