翼帯
翼と尾の名前
翼帯は、羽の名ではなく模様の名です。雨覆や風切の淡い先端が横に並び、畳んだ翼の上に線として浮かびます。本数と太さが、候補を絞る手がかりになります。
どこを指すか
雨覆や風切の先端が淡い色で縁取られ、それが横一列に並んでできる帯状の模様です。羽そのものの名前ではなく、模様の名前で、線を作っているのは雨覆の先端や大雨覆の白い縁です。畳んだ翼では羽が瓦のように重なるため、先端の淡色だけが表に出て、翼の上を横切る一本または二本の線として見えます。翼を広げた個体では羽の重なりがほどけ、線は途切れて別の形になるので、同じ模様でも姿勢によって見え方が変わります。
見分けにどう効くか
線の本数と太さを数えると、候補が一気に絞れます。大雨覆の先端だけが淡いと一本、中雨覆の先端もそろうと二本に見え、太い帯か細い線かでも別の候補に分かれます。色や大きさより先に差が出るのが利点です。ただし効かない条件がはっきりしていて、羽が擦れて先端の淡色が削れる晩春から夏には、あった線が細り、消えたように見えます。風切羽の先端が作る線も同じなので、順光で翼の上面が見える一瞬に数えます。
似た語との違い
三つの語が同じ場所に重なります。雨覆は風切の付け根を覆う羽の集まりで、部位の名です。翼帯はその先端が並んでできる模様の名なので、部位ではなく見え方を指します。翼鏡はカモ類の次列風切にできる金属光沢の面で、線に見えるのが翼帯、面が光るのが翼鏡と分かれます。同じ翼の上に、覆う羽と並んだ線と光る面が同居していると考えると、図鑑の各部名称図が読み解けます。
身近な鳥で確かめる
シジュウカラの翼には白い線が一本あり、畳んだ姿でも背中側から見えます。カワラヒワは飛ぶと黄色い帯が広がり、止まると細い線に縮んで、同じ模様が姿勢で二通りに見えることが分かります。同じ個体でも季節で見え方が変わるので、線が薄いときは換羽の途中や羽の擦れを疑い、線の有無だけで種を決めないようにします。数えられなかった日は、数えられなかったとだけ書きます。