換羽
暮らし方をあらわす言葉
換羽は、古い羽が抜けて新しい羽に替わる過程です。多くの種は繁殖を終えた夏から秋に全身を替え、その間は姿が乱れて見えます。
どこを指すか
羽は伸びきると生きた組織ではなくなり、擦れても直せません。そのため一定の周期でまるごと抜け替えます。多くの種は繁殖を終えた夏の終わりから秋にかけて全身を替え、風切羽や尾羽は左右で対になる位置から順に抜けるので、飛ぶ力は保たれます。一度に全部は抜けず、数週間から数か月かけて進むのがふつうで、その間は新しい羽と古い羽が一羽の体の上で混ざります。
見分けにどう効くか
夏の終わりから初秋は、姿も声も読みにくい時期だと分かります。羽が抜けかけた個体は輪郭が乱れ、翼帯の線や尾の形が本来と違って見えます。さえずりも減るため、いなくなったと読み違えやすい時期です。この時期の一羽は、模様の細部で決めないようにします。羽が擦れて色が褪せる春先も同じで、季節による見え方の差を、種の差と取り違えないことが要になります。
似た語との違い
同じ音の冠羽と取り違えられます。冠羽は頭の上に伸びる羽そのものの名で、換羽は羽が替わる出来事の名です。部位の名か、時期の名かで分かれます。事故や病気で羽が欠けた個体とも見た目が似ますが、換羽では左右の同じ位置が対になって抜けます。片側だけが不ぞろいなら、換羽以外の原因を考えます。落ちている羽の扱いは落ちている羽根を持ち帰るに置き、ここでは触れません。
身近な鳥で確かめる
カルガモなど水面のカモ類には、風切をまとめて落として一時的に飛べなくなる時期があり、水辺から離れなくなります。ムクドリやスズメでは、夏の終わりに翼や尾がまばらな個体が群れに混じります。時期と抜ける順序は山階鳥類研究所の鳥類標識調査で扱われており、そこで確かめられた範囲を超えては書けません。見た目が乱れた一羽は種を決めきらず、その日の状態として書きます。