雨覆

翼と尾の名前

風切の付け根を、瓦のように覆う短い羽です。大・中・小の三つの層に分かれ、その先端の淡色が横一列に並ぶと、翼帯という一本の線になって見えます。

どこを指すか

風切羽の付け根をおおう短い羽の層です。屋根の瓦のように少しずつ重なりながら、翼の前寄りをおおいます。層は外から見える順に大雨覆、中雨覆、小雨覆の三つに分けられ、山階鳥類研究所の鳥類標識調査でもこの呼び方で記録されます。一枚ずつは短く、風切のように翼の後縁までは届きません。翼を畳んだ姿では、背中寄りの上半分がこの層と見ておくと位置がつかめます。

見分けにどう効くか

この層の先端が模様の出どころです。同じ層の羽は長さがそろうため、先端が淡色だと淡い点が横一列に並び、離れて見ると一本の線になります。これが翼帯の正体で、大雨覆の先端で一本、中雨覆の先端でもう一本という数え方ができます。線が一本か二本かは層で決まるので、何本あるかを数える前に、どの層の先端が淡いのかを見ると、記録が他の人の記述と突き合わせられます。

似た語との違い

翼帯は模様の名で、雨覆は部位の名です。翼帯は雨覆の先端がそろって並んだ結果として現れる線であり、同じものの言い換えではありません。「翼帯がある」とだけ書くと、どの層の先が淡いのかが残らず、あとから別の個体と比べられなくなります。逆に大雨覆の先が白いと書けば、線の位置まで一緒に残ります。部位の名と模様の名を分けて使うのが、この語の要点です。

身近な鳥で確かめる

スズメは畳んだ翼に細い白い線が一本見え、これが中雨覆の先端です。シジュウカラでは大雨覆の先が白く並び、灰色の翼の上に線が出ます。どちらも地面や庭木で距離を詰めずに確かめられます。層の一部だけ色や摩耗が違って段のように見える個体もあり、これは換羽の途中を示します。層の呼び名は山階鳥類研究所の鳥類標識調査の部位図で確かめられます。