装置と部品図鑑

ミストノズル(ノズルとポンプ)

養液を細かい粒にして根へ送り出す部品です。穴の大きさと圧力で粒の細かさが決まり、細いものほど詰まりやすくなります。養液に圧力をかけ、液の膜を引き裂いて粒に変える出口です。水圧だけで霧にする仕組みがここで起き、粒の細かさも、出る量も、広がる角度もこの一点で決まります。綿を育てた高圧の系では…

二流体ノズル(ノズルとポンプ)

圧縮空気を混ぜて霧にするノズルです。液の圧力だけに頼らないので、低い液圧でも細かい粒を作れます。液と空気を別々に受け取り、空気の速い流れで液の膜を砕く出口です。空気で砕く霧化の原理をそのまま部品にしたもので、液側の圧を高くしなくても細かい粒が作れます。Lakhiar ら 2020(IJABE)は…

超音波ミストユニット(ノズルとポンプ)

水に浸けた振動子で霧を作る部品です。加圧しないので粒は細かい一方、霧を押し出す力を持ちません。液の表面を高い周波数で震わせて粒をはがす部品です。超音波で霧を立てるの仕組みで、加圧の系を持たずに細かい霧が作れます。Lakhiar ら 2020 は1.7MHz・107kHz・28kHzの3種で系を作り分けました。…

加圧ポンプ(ノズルとポンプ)

ノズルに要る圧力を作るポンプです。圧力スイッチ付きの型は、設定した圧に達すると自分で止まります。ノズルが要求する圧を作って送り出す部品です。高圧噴霧と低圧噴霧の分かれ目はここにあり、粒の細かさはノズル単体ではなく、ポンプが作る圧との組み合わせで決まります。綿の高圧の系では120Vのダイヤフラムポンプを使い…

水中ポンプ(ノズルとポンプ)

タンクに沈めて養液を押し上げるポンプです。低い圧力で粗い霧を作る組み方で使われます。液の中に据えて、そこから直に押し出す形のポンプです。Lakhiar ら 2020 は噴霧栽培を高圧式・低圧式・超音波式の3つに分けていて、この部品は低圧式の側に立ちます。…

アキュムレータ(ノズルとポンプ)

圧力をためておく小さなタンクです。弁が開いた瞬間の圧の落ち込みを埋め、どのノズルにも同じ圧をかけるために入れます。加圧した養液を一時的にためて、弁が開いた瞬間の圧の落ち込みを埋める部品です。綿の高圧の系では0.75Lの蓄圧タンクを入れ、すべての鉢へ均等に届けるためと書いています(Lin ら 2024)。…

電磁弁(ノズルとポンプ)

電気で開け閉めする弁です。噴霧の長さと間隔は、この弁が開いている時間で決まります。電気の合図で液の通り道を開け閉めする部品です。間欠噴霧という組み方そのものがこの弁の上に成り立っていて、何秒開いて何分閉じるかがそのまま根の環境になります。綿の系では110Vのノーマルクローズ電磁弁2個を…

インラインフィルター(ノズルとポンプ)

ノズルの手前で異物をこす部品です。細かい霧を出すノズルほど、肥料の結晶や配管の削りかすで塞がります。ノズルの穴に届く前に、異物をこし取る部品です。Lakhiar ら 2020 の部品表では、ステンレスの網を入れた樹脂のフィルターがポンプの吸い込み側に入り、タンクの中に沈めてあります。…

栽培チャンバー(チャンバーと棚)

根を空気中に置いておく、光を通さない箱です。中は霧と高い湿度で満たされ、外からは見えない場所になります。根を空気中にぶら下げたまま、霧と湿気を閉じ込めておく部屋です。ノズルが吐いた霧はここに留まり、根の表面で根をつつむ水の膜になります。…

ネットポット(チャンバーと棚)

株をフタの上で支え、根を下へ通す器です。根はここを抜けて、霧の中へ伸びていきます。フタの穴に落とし込んで、株を上で支えながら根を下へ通す器です。側面と底がメッシュになっていて、根はそこを抜けて霧の中へ出ていきます。…

定植スポンジ(チャンバーと棚)

苗の根元をはさんでポットに留める培地です。株を支えるだけでなく、光と霧の通り道をふさぐフタも兼ねます。苗の根元をはさんでネットポットの中に留め、同時に穴のすき間をふさぐフタにもなる材です。Lin ら 2024(Scientific Reports)が綿の試験で並べた水耕の側でも…

養液タンク(チャンバーと棚)

養液をためておく容器です。光を通すと藻が出るので、暗い色で中の見えないものを選びます。調製した養液をためて、加圧ポンプが吸う元になる容器です。噴霧して余った液が戻ってくる先でもあり、系じゅうの液がここで一つに混ざります。補水と追肥も液の更新もここで行うので、ECとpHと液温という三つの数字が集まる場所になります。…

栽培ラック(チャンバーと棚)

チャンバーと照明を段に積むための棚です。段の間隔が、育てられる背丈と光の当て方の上限を決めます。チャンバーと照明を段に積み、床の面積あたりの株数を増やすための骨組みです。段の高さがそのまま株の背丈の上限になり、棚の段数と段の間隔の取り方が光の当て方と作業のしやすさを決めます。…

チューブと継手(チャンバーと棚)

ポンプからノズルまでを結ぶ配管です。耐圧の合わないチューブは、圧をかけた瞬間に継手から外れます。加圧ポンプが押し出した養液を、ミストノズルまで運ぶ道です。太さと長さと曲がりの数がそのまま配管の圧力損失と圧のそろえ方に効き、末端のノズルへどれだけの圧が残って届くかを決めます。戻り側は落ちた液をタンクへ返す道で…

植物育成LEDライト(光)

太陽の代わりに光を与える照明です。強さは製品のW数ではなく、葉の高さに届く光の量で見ます。根を暗い箱に閉じ、葉にだけ光を当てるのがこの栽培の形です。だから栽培チャンバーの上に置く光源が、そのまま太陽の代わりになります。光合成に使われるのは400〜700nmのPARと呼ばれる範囲の光で…

LEDバーライト(光)

棚板の裏に付ける細長い照明です。段の間隔が狭い多段の棚で、光源の厚みを抑えるために使われます。栽培ラックを多段にすると、棚の段数と段の間隔が育てられる背丈の上限を決めます。バー型は光源そのものが薄く、段の間を照明に取られにくいのが役目です。面で照らすのではなく、線を並べて面をつくる考え方になります。…

ライトハンガー(光)

照明を吊るして高さを変える金具です。光の強さは、下げ幅のぶんだけ大きく変わります。照明の高さを段階で変えるためだけの金具です。同じ器具でも、下げれば狭く強く、上げれば広く弱くなります。目標にする光の量は作物と生育の段階で動くので、一度決めた高さのままでよい場面はほとんどありません。…

光量子計(光)

株元に届く光の量を測る計器です。照明のW数ではなく、葉の高さで測ったPPFDが育ちの目安になります。400〜700nmのPARの光子が、一秒あたり1m²へ何マイクロモル届いたかを測る計器です。単位はµmol/m²/sで、これをPPFDと呼びます。点灯している時間ぶんを足すと一日の積算になり、単位はmol/m²/日。…

反射シート(光)

光を株のほうへ返す銀色のシートです。棚の側面から逃げる光を拾い直すために貼ります。棚は上から照らすので、横へ抜けた光はそのまま外へ出ていきます。側面と背面に貼り、その一部を株のほうへ返すのがこのシートの役目です。返るのは壁に当たって反射した分だけで、当たらなかった光は戻りません。…

遮光シート(光)

根の部屋に光を入れないための資材です。光が入ると、霧の当たる面から藻が出ます。栽培チャンバーと養液タンクを暗く保つための資材です。藻は光と水と養分がそろうと増えるので、この栽培は三つのうち二つを最初から満たしています。残る一つを断つのが遮光の役目で、遮光は掃除の手間を先に減らす手当てでもあります。…

EC計(測る・制御する)

養液の濃さを電気の通りやすさで測る計器です。値は水温で動くので、温度補正のある型を選びます。養液に溶けている肥料の量を、電気の通りやすさとして読む計器です。何がどれだけ入っているかまでは分かりません——イオンの総量がひとつの数字にまとまるためで、数字の意味そのものは養液のECの側に置いています。…

pH計(測る・制御する)

養液の酸性・アルカリ性を測る計器です。同じ肥料でも、pHが動くと吸えなくなる成分が出ます。水素イオンの多さを一つの数字にして読む計器です。ここが動くと、肥料の量は同じでも根に届く成分と届かない成分が入れ替わります。目安の範囲は養液のpHの側です。噴霧栽培の研究では…

校正液(測る・制御する)

計器の目盛りを合わせるための標準液です。校正していないEC計とpH計の数字は、記録として使えません。pH計とEC計の目盛りを、値の決まった液で合わせるためのものです。JIS Z 8802 は pH の校正をゼロ校正とスパン校正の二段と定めています。…

サイクルタイマー(測る・制御する)

決めた秒数で入切をくり返すタイマーです。噴霧の長さと間隔は、ここで決まります。電磁弁やポンプを、決めた時間で入切させ続ける部品です。噴霧栽培は霧を出しっぱなしにする方式ではなく、間欠噴霧で出す時間と止める時間を組み合わせます。綿を育てた Lin ら 2024 は10秒噴霧して5分休む周期を対照区とし…

温湿度データロガー(測る・制御する)

部屋の中の温度と湿度を記録し続ける計器です。霧を止めてから何分で湿度が落ちるかが、あとから読めます。温度と湿度を、決めた間隔で自分の中に書き続ける計器です。噴霧栽培では霧を止めたあとの下がりかたが、そのまま根の乾きかたの目安になります。ツボクサを育てた Lee ら 2026 は…

圧力計(測る・制御する)

ノズルにかかっている圧を見る計器です。同じノズルでも、圧が落ちれば粒は粗くなります。ミストノズルに届いている圧を、その場で読むための計器です。同じノズルでも圧が落ちれば粒は粗くなるので、霧の細かさを間接に見ていることになります。…