栽培ラック
チャンバーと棚
チャンバーと照明を段に積むための棚です。段の間隔が、育てられる背丈と光の当て方の上限を決めます。
何のためのものか
チャンバーと照明を段に積み、床の面積あたりの株数を増やすための骨組みです。段の高さがそのまま株の背丈の上限になり、棚の段数と段の間隔の取り方が光の当て方と作業のしやすさを決めます。Lakhiar ら 2020(IJABE)の実験機は745×550×800mmのアルミの枠の上に成長箱を載せ、枠に照明用の管を渡す形でした。
選ぶときに見るところ
見るのは1段あたりの耐荷重です。水は1Lでおよそ1kgなので、満水の養液タンクと濡れた株と器の重さを足して考えます。Lakhiar ら 2020 は木の枠は水で早く傷むとしてアルミと樹脂を選び、別の機では全高1100mmのステンレスの成長箱を組んでいます。棚板の間隔を後から変えられるか、キャスターが要るかも見ます。
使いかたと手入れ
置く前に床の水平を見て、段ごとの前後の傾きをそろえます。濡れる場所なので、塗装の欠けたところから錆が出ます。Cai ら 2023(Plant Methods)は養液に触れる部分の金具を樹脂のねじに替えています。金属が液に触れる形をなるべく作らない、という意味です。ときどき棚板を外して裏を拭き、白い粉・赤い錆・樹脂の白化を見ます。
無いとどうなるか
棚が無ければ床置きの一段だけになり、同じ面積に置ける株数は段数のぶん減ります。耐荷重の足りない棚に載せると天板がたわみ、チャンバーが傾いて液が片側へ寄ります。段の間隔が詰まりすぎれば下の株に光が届かず、同じ棚で育ちが揃わない状態になります。傾いたままにすれば、根が底の水に浸かっているの入口にもなります。
解説動画: 【植物工場】ミニ植物工場の棚とLED照明を設置する方法!室内で野菜を水耕栽培で育てる設備を手作り【植物工場を作ろう】/Daisuke Miyazaki
棚から先に決める: 動画は、使うスチールの棚を先に決め、その寸法に合わせて照明と部材をそろえたと述べます。選んだのは幅91cm・奥行46cm・高さ178.5cmの棚で、棚板1枚あたり60kg、全体で300kgという耐荷重のものです。弱い棚は重いものを載せると歪んだり壊れたりするので気をつけてほしい、と話します。
段の間隔と足まわり: 棚板は5枚で、段の間隔はおよそ40cmにそろえています。一番下にはキャスターが付いていますが、車輪はあまり重い荷に耐えられないので、耐荷重を上げたいときは車輪でない足に替えるよう述べます。栽培の容器が軽ければ車輪のままでよい、とも補い、動かす前提かどうかで選び分けています(棚の段数と段の間隔)。
棚の幅と照明の長さ: 照明は白色のものを12本。青や赤の特殊な色が要ると思われがちだが、いろいろな研究の結果白色で問題ないという結論に至っていると述べます。ここでの要点は棚の幅と照明の長さをそろえることで、合っていないと横にはみ出したり、短くて光の当たらない場所ができたりします。棚を大きくすれば照明も長いものが要ります。
高さを動かせるように: 4本の照明を2本の棒でまとめ、S字フックとチェーンで棚から吊っています。フックを掛ける位置を変えると、照明の高さは10cmから40cmほどの範囲で動かせます。苗のうちは近づけ、伸びるにつれて上げると述べ、吊る金具は針金でも結束バンドでもよい、値段と丈夫さで選べばよいと話します(ライトハンガー)。
下の段の使いみち: 出来上がった棚は、上の段が高さ40cmほど、2段目が15〜20cm、3段目は5〜10cmしか隙間がありません。一番下には照明を付けず、循環させるときのタンクやポンプの置き場に使うと述べます。空気を動かす仕組みは棚とは別に要るとも結び、棚が決めるのは重さと光の置き場までです。