光量子計

株元に届く光の量を測る計器です。照明のW数ではなく、葉の高さで測ったPPFDが育ちの目安になります。

何のためのものか

400〜700nmのPARの光子が、一秒あたり1m²へ何マイクロモル届いたかを測る計器です。単位はµmol/m²/sで、これをPPFDと呼びます。点灯している時間ぶんを足すと一日の積算になり、単位はmol/m²/日。PPFDに0.0036と時間数を掛けて求めます(Purdue Extension、Torres と Lopez 2010)。植物育成LEDライトの側ではなく、葉の高さの光を数字にする道具です。

選ぶときに見るところ

見るのは400〜700nmを平らに拾う分光応答と、斜めから来る光を正しく減らすコサイン補正の有無です。lxやfcを表示する照度計は人の目の感度に合わせてあり、置き換えられません。同じ資料は、fcからPARへの換算の係数を太陽光と高圧ナトリウム灯で分け、0.20と0.13という別々の値を挙げています。防滴と、積算を出せるかも見ます。

使いかたと手入れ

測る位置と時刻を決めて、いつも同じにします。受光面を水平にし、自分の影と服の反射が入らない立ち位置をとります。何点をどこで測るかは空間のムラをどう測るかの決めごとに合わせ、この計器の側では平均と最小の両方を残すことだけ守ります。霧の粒と水垢は受光面に膜をつくるため、拭いてから測ります。EC計と違って手元で校正はできないので、同じ個体の値どうしで比べます。

無いとどうなるか

測らないと、明るさの判断が目の慣れに頼ることになります。人の目は暗さによく順応するので、足りない状態が普通に見えてしまいます。棚のどこが弱いのか分からないまま同じ棚で育ちが揃わないが続き、原因を霧や養液の側に探しにいくことになります。数字が残っていれば、器具の劣化も明るさの下がり方で読めます。

解説動画: 【FAQ】育成ライトの照射距離をPPFDで決めたい!照度からPPFDを求める方法を解説/ELBAZ FARM VIDEO

照度では分からない: 動画は視聴者の質問から始めます。植物に必要な光の単位は照度ではないと聞いたが、どう測ればいいのか。照度は人が感じる明るさの単位で、光合成に使う波長の光を一定時間・一定面積に受けた光の粒の量として表したのがPPFDだ、と整理します。光合成に必要な明るさは照度では分からないと言います。

手がかりになる値: 動画はまず、体で覚えられる値を並べます。屋外の快晴でおよそ2000、曇りの日は50から100ほど。植物側の目安として、多肉植物なら500以上、観葉植物なら500程度までが挙がります。最適な値は植物ごとに違うという前置きつきで、自分の棚の数字をこの並びのどこかに置いて考えるための物差しとして出しています。

係数で割ってみる: 測定器は高額で一般の家庭が買うものではない、として動画が示すのは、手持ちの照度計から見当をつける道筋です。光源の種類ごとの換算係数で照度を割る方法で、昼の太陽光の係数は54、10万ルクスなら約1851。育成用のLEDは係数が載っていないので、光源のほうから作ります(植物育成LEDライト)。

説明書から作る: 動画は手元の器具の公表値を使います。30cmで照度29000・PPFD600なら係数は48.3、20cmで6万・1300なら46.1。近い値なのでおよそ47として、以後は照度をこれで割る。ここで大事なのは換算係数が光源ごとに違うことのほうで、一つの照度計をそのまま置き換えられるわけではありません。

距離で四倍動く: もう一つ添えるのが、明るさは距離の二乗に反比例するという関係です。30cmで600なら、半分の15cmでは2400、倍の60cmでは150ほど。吊り位置を変えるだけで株が受ける量はこれだけ動きます。動画自身は最後までざっくりの計算で参考程度と断り、自分の環境に合った明るさを求めてほしいと結びます。