養液タンク

チャンバーと棚

養液をためておく容器です。光を通すと藻が出るので、暗い色で中の見えないものを選びます。

何のためのものか

調製した養液をためて、加圧ポンプが吸う元になる容器です。噴霧して余った液が戻ってくる先でもあり、系じゅうの液がここで一つに混ざります。補水と追肥も液の更新もここで行うので、ECとpHと液温という三つの数字が集まる場所になります。Lee ら 2026(Frontiers in Plant Science)も、運転中のタンクのECとpHを作期を通して記録していました。

選ぶときに見るところ

光を通す容器は中で藻が育ちます——Lakhiar ら 2020(IJABE)は暗色か、少なくとも不透明な樹脂を勧めています。容量は同じ論文の実験機で25Lと50L、Lin ら 2024(Scientific Reports)の綿の装置で100Lでした。小さいほど、吸われたぶんと蒸発したぶんでECとpHが早く動きます。フタと持ち手の有無も見ます。

使いかたと手入れ

据えたら液面の高さを決め、そこまで補水します。淀ませないようにエアポンプで動かし、養液の温度が上がる季節は日の当たらない床に置きます。更新のたびに内側を洗い、ぬめり・沈殿・縁の白い線を見ます。Lee ら 2026(Frontiers in Plant Science)が温室の閉ループ装置でツボクサを育てたときの実測は、EC1.27〜1.83dS/m、pH5.92〜6.05の幅に収まっていました。

無いとどうなるか

タンクが小さすぎると、吸い出してすぐ液面が下がってポンプが空気を噛みます。光が入ればタンクの養液が濁ってぬめる方へ進み、そのぬめりはインラインフィルターとノズルへ流れていきます。液が足りないまま回せば圧力が上がらない状態になり、届く霧そのものが痩せます。ためる量が少ないほど、補水のたびにECは大きく振れます。

解説動画: 水耕栽培容器が藻だらけに・・手入れ方法と新規藻対策の紹介/サラリーマンの水耕栽培

藻で何が困るか: 動画はまず、ためた液に藻が出ると何が困るかを三つ挙げます。根に絡んで酸欠の原因になること、養分のつり合いが崩れること、見た目が悪くなることです。広く行われている手当ては光を遮ることと、定期的な掃除だとしたうえで、今回は別の手としてフィルターを通してろ過する方法を試す、と切り出します。

掃除が続かない: 撮影者の装置は、掃除を少しさぼっただけで容器が藻だらけになっています。50Lほどの大きな装置になると、掃除と液の入れ替えだけで半日がかりの作業になると述べます。そこが続かないままタンクの養液が濁ってぬめる状態で放置されるので、手間の側を減らせないかという話になります。

ろ過を足してみる: 使うのは、ホームセンターで売っている安い水中フィルターです。中は層になっていて、大きいものから順に絡め取る構造だと説明します。ろ過した水はシャワー状に戻るので、落ちるときに空気を巻き込み、液の中の酸素を増やすことにも使えると述べます。寝かせても動くので、水深が浅くても入るそうです。

2時間後の水: 運転して2時間後の液を、汲み取って前後で並べて見せます。ろ過する前は濁っているのに対し、通したあとは明らかに透き通っていました。大きな藻のかたまりは吸いきれずに残る一方、目で見えるか見えないかほどの細かい藻はほとんど消え、フィルターの上側にその藻が溜まっています。

洗う以外の手: まとめとして、ろ過で藻は回収でき、掃除と大量の液の入れ替えに使う時間が減ると述べ、週に一度ほどの掃除と組み合わせる形を勧めて終わります。大きな装置を持つ人や時間の取れない人ほど向く、という言い方です。ためる容器の手入れは、洗う回数を増やすことだけではないと分かる回です。