校正液

測る・制御する

計器の目盛りを合わせるための標準液です。校正していないEC計とpH計の数字は、記録として使えません。

何のためのものか

pH計とEC計の目盛りを、値の決まった液で合わせるためのものです。JIS Z 8802 は pH の校正をゼロ校正とスパン校正の二段と定めています。ゼロ校正にはガラス電極の内部液に近い組成の中性りん酸塩(25℃でpH6.86)を使い、スパン校正には別のpHの標準液を使います。この二点を通した線が、以降の数字の意味を決めます。

選ぶときに見るところ

pHの側はフタル酸塩4.01・中性りん酸塩6.86・ほう酸塩9.18(いずれも25℃)が代表で、測る範囲をはさむ二つを選びます。EC側は JIS K 0130 が0.01・0.1・1 mol/kgの塩化カリウム標準液を規定し、値は25℃を基準にとるので温度をそろえて使います。小分けの袋なら、使い切りで扱えます。

使いかたと手入れ

一度使った液と、開けたまま放置した液は使い回しません。JIS Z 8802 がそう定めていて、ほう酸塩と炭酸塩は空気中の二酸化炭素を吸ってpHが下がるためです。密閉して保存し、計器に注ぐのではなく小分けした器に取って浸します。塩化カリウム標準液も長期の保存には向かず、古いものは新しい液と読みを比べてから使います。

無いとどうなるか

合わせていない計器は、数字を出しても値ではありません。目盛りがずれたまま濃さとpHを読むと、補水と追肥の判断が丸ごとずれ、新しい葉だけが黄色くなるや葉先が茶色く枯れるが出てから、養液ではなく装置のほうを疑って原因を探すことになります。残した記録も、どの基準で読んだのか分からないまま並びます。

解説動画: pH計を校正します/スローライフ ねもっチャンネル

箱の中の三つ: 動画はpH計の箱を開けるところから始まります。入っているのは本体と、校正用の粉が3種類。袋の裏には温度とpHが刷ってあり、25℃で4.00・6.86・9.18になる粉だと読み上げます。値が温度とセットで書いてある以上、まずは25℃の精製水を用意するところからだ、と手順を組み立て直します。

温度をそろえる: 粉に書かれた値は温度と組みになっているので、動画は精製水を先に温めます。狙いは25℃、そこへ下がっていくぶんを見込んで27℃に合わせておく。カップは三つ用意し、内側を精製水ですすいでから、250mLを示す線まで注ぎます。溶かす前の水をそろえる手間が先に来る、という段取りです。

粉を溶かす手順: 袋の粉は全部まとめて入れてから混ぜます。混ぜるものを次のカップへ移す前には洗い、別の液が混ざらないようにする。三つとも溶かしてしまうと見た目では区別が付かなくなるので、動画は使い終えた袋をカップの正面に置いておき、どれがどの値の液なのか分からなくなるのを防いでいます。

合わせる操作: 電源を入れたら、キャップが刺さっていた先端だけを液に浸けます。深く入れると防水でないところまで濡れて壊れるからです。軽く振って数値が安定してからCALボタンを5秒押し、離すと表示が3回点滅して6.86に合う。同じ手順を4.00と9.18でもくり返し、三点を通します。

合ったか確かめる: 次の液へ移る前には、先端を精製水ですすぎます。三つを通したあと、動画はもう一度それぞれの液に浸けて読みを確かめ、振ると数値がぶれる・少し高めに出るところまでそのまま見せます。ここを通してから池の水を測りに行っていて、pH計が出す数字は、この作業の後ではじめて意味を持ちます。