二流体ノズル
ノズルとポンプ
圧縮空気を混ぜて霧にするノズルです。液の圧力だけに頼らないので、低い液圧でも細かい粒を作れます。
何のためのものか
液と空気を別々に受け取り、空気の速い流れで液の膜を砕く出口です。空気で砕く霧化の原理をそのまま部品にしたもので、液側の圧を高くしなくても細かい粒が作れます。Lakhiar ら 2020(IJABE)は、この型のために液側の加圧ポンプとは別に、空気圧縮機・空気圧力計・空気流量計を並べた系を組んでいます。
選ぶときに見るところ
見るのは液側と空気側の2系統ぶんです。液の口径と流量、空気の必要圧と必要風量がそろって、はじめて狙いの粒径が出ます。空気側を用意できるかが最初の関門で、圧縮機と空気の配管が別に要ります。継手は液用と空気用で径が違うことが多く、チューブと継手の寸法も先に確かめます。養液に触れる側の材質は樹脂かステンレスにします。
使いかたと手入れ
空気側を先に通してから液を出すと、立ち上がりに大きな粒が飛びにくくなります。空気には水分と油分が混じるので、空気側にも水を抜く場所が要ります。液側はインラインフィルターが受け持ちます。音と霧の形が変わったときは、液側と空気側のどちらの圧が落ちたかを分けて見ます。Lakhiar ら 2020 の点検表にも、漏れとノズルの詰まりの確認が入っています。
無いとどうなるか
この型を使わないなら、液圧を上げるか超音波に寄せるかのどちらかになります。空気側が止まると液だけが押し出されて粒が急に粗くなり、霧ではなく水滴が落ちるに変わります。圧縮機が動いていても水が溜まっていれば同じで、霧が片側にしか届かないが出ます。部品が増えるぶん、止まる場所も増えます。
解説動画: 【ポンプいらず】吸い上げ方式で細かい霧を作る!原理と特長を徹底解説!/いけうちチャンネル
空気と混ぜて霧に: 動画は二流体ノズルを、エアーと液を混ぜて、より細かい霧を出すための出口として説明します。粘り気のある液を噴霧したいときにも使うと述べ、一般にはエアーと液のどちらも加圧して使う型が普通だと置きます。空気で砕く霧化をそのまま部品にしたものが、この日の題材になります。
ポンプの要らない型: その中で今回取り上げるのがサクションタイプです。大きな特徴は二つあると述べます。ひとつは液の側にポンプが要らないこと、もうひとつはごく少量の液体を噴霧できることです。ポンプを用意しなくても霧が出せるので、手軽に噴霧を試せる型として好評をもらっていると紹介されます。
吸い上がる仕組み: 原理は、コップに張った水にチューブを差すと水が勝手に上がっていくのと同じだと説明します。実演では、吸い上げられた水が細くなって霧になって出ていました。外見は液も加圧する型とほとんど区別がつきませんが、エアーの入る距離や角度が少しでも違うと吸い上げなくなるため、内部は精密に設計されていると述べます。
水面の高さで変わる: 続いて噴霧量の実験です。ノズルより50cm下に水面がある場合と、30cm上にある場合で、同じだけ水を入れて5分間噴霧し、減った量の差を見ます。差ははっきり出て、水面がノズルより上にあるほうが噴霧量は多くなりました。水を吸い上げる力が要らなくなるからだと説明します。
高さで量を調える: つまりノズルと水面の高さを変えることが、噴霧量を調整する手立てのひとつになるわけです。動画は、少量の液を吹き付けたいときや、ポンプを用意できなかったときにこの型を使ってほしい、と結びます。液側の圧に頼らずに霧を作る道があることが、加圧ポンプの手前に置ける選択肢として残ります。