水中ポンプ
ノズルとポンプ
タンクに沈めて養液を押し上げるポンプです。低い圧力で粗い霧を作る組み方で使われます。
何のためのものか
液の中に据えて、そこから直に押し出す形のポンプです。Lakhiar ら 2020 は噴霧栽培を高圧式・低圧式・超音波式の3つに分けていて、この部品は低圧式の側に立ちます。キャッサバの根を見る系では0.5馬力の水中ポンプで蓄圧タンクに圧をかけ、3/4インチの配管でスプリンクラー型の霧の出口へ送っていました(Selvaraj ら 2019、Plant Methods)。
選ぶときに見るところ
見るのは揚程と流量です。何メートル押し上げて、何L/min流せるかが仕様に出ていて、配管の高さと長さのぶんを引いた残りがノズルにかかります。連続でまわせる型かどうかも確かめます。吸い込み口の網が粗いと沈殿を吸うので、インラインフィルターを手前に置ける口径を選びます。沈める深さの下限も型ごとに決まっています。
使いかたと手入れ
タンクの底から少し浮かせて据え、沈殿を吸わせません。本体の熱がそのまま養液に伝わる位置にあるので、連続でまわすと液温が上がります(養液の温度が上がる)。上の系では7日ごとに養液を入れ替え、槽の外側を金属を蒸着したシートで包んで外からの熱も抑えていました(Selvaraj ら 2019)。吸い込み口のぬめりは更新と廃液の合図です。
無いとどうなるか
低圧の組み方では、この部品が止まると送る力が消えます。圧力が上がらないのうち、原因が吸い込み側の詰まりや空まわりにあるものはここです。空のまままわすと本体が傷み、液面が下がったまま運転が続いたあとで気づくことになります。霧の量が落ちる過程は静かなので、同じ棚で育ちが揃わないとして先に株に出ます。
解説動画: How do Submersible pumps work?/Sabin Civil Engineering
沈めて使うポンプ: 動画は、水中ポンプが液の中に据えて使う遠心ポンプの一種だと説明します。羽根車と電動機がまるごと働く液に浸かっているので、運転の前に呼び水を入れる手間が要りません。羽根車をまわすのは誘導電動機で、電源は単相と三相のどちらもあると述べます。使い道の広さと信頼性の高さから、産業でも家庭でも使われるようになった、という入り方です。
羽根車と案内羽根: 羽根は後ろ向きに曲がった形で、入口から入った水を外へ振り出します。水はここで速さと圧力の両方を受け取ります。そのままでは次の段へ渡せないので、動かない部品であるディフューザーが流れの向きを変え、次の羽根車の入口へ整えて送る、と動画は説明します。回しているのは一本の軸で、複数の羽根車がそこに並びます。
段を重ねて圧を出す: 羽根車とディフューザーの組を何段も重ねると、段ごとに圧力が足されていきます。動画は、これが水中ポンプが高い圧力を出せる理由だと述べます。押し出された水は本体に組み込まれた急に閉じない逆止弁を通り、高い所へ汲み上げるときに問題になる水撃が和らげられます。段数と圧力の関係がこの形の要だ、という説明です。
引かずに押すから: 陸上の遠心ポンプで起きるキャビテーションは、吸い込み側の圧力が下がるのが主な原因だと動画は説明します。水中ポンプは水を引くのではなく押し出すので負圧になりにくく、この現象は起きないと結びます。電動機の熱は水か油で満たした本体から逃がし、底の小さな羽根車が冷却の流れを絶やさないので、過熱しないと述べます。
どこで使われるか: 動画が挙げる使い道は、井戸の揚水・消火・油井の汲み上げで、世界の油井の9割が何らかの汲み上げの助けを要るとも述べます。羽根車と案内羽根に狭い流路がないため、汚水や粘い液、設計を変えれば泥まじりの液にも向くと結びます。低い圧の側で霧を作る組み方は高圧噴霧と低圧噴霧が受け持ちます。