EC計
測る・制御する
養液の濃さを電気の通りやすさで測る計器です。値は水温で動くので、温度補正のある型を選びます。
何のためのものか
養液に溶けている肥料の量を、電気の通りやすさとして読む計器です。何がどれだけ入っているかまでは分かりません——イオンの総量がひとつの数字にまとまるためで、数字の意味そのものは養液のECの側に置いています。霧にした養液は根と壁に取られてタンクの濃さが日ごとに動くので、同じ時刻に測って並べるのがこの計の仕事です。
選ぶときに見るところ
温度補正が入っているかをまず見ます。JIS K 0130 は電気伝導率の基準温度を25℃と定め、温度係数を1℃あたりの変化率として扱うので、補正が無いと水温の分だけ読みがずれます。単位はdS/m と mS/cm が同じ値で、µS/cm はその1000分の1です。ppm表示は換算値なので、記録はmS/cm のまま残します。
使いかたと手入れ
使うたびに電極を水ですすぎ、水分を拭ってから測ります。JIS K 0130 は、セル定数が従来より20%以上ずれるのは電極板の汚れによることが多いとし、中性洗剤で表面の汚れを落とすことを挙げています。校正液に当てていない数字は記録になりません。読みは水温で動くので、養液の温度も一緒に書き留めます。
無いとどうなるか
濃さは見た目に出ません。計が無いと、タンクの養液が濁ってぬめるまで何も分からないまま補水と追肥を続けることになります。薄いまま気づかないと新しい葉だけが黄色くなるの側へ、濃いまま進むと葉先が茶色く枯れるの側へ寄ります。どちらも濃すぎと薄すぎの見えかたと突き合わせて、はじめて向きが読めます。
解説動画: 【水耕栽培 肥料管理】ECメーターの使い方/悠々ファーム
ECで何を見る: 動画はまず水道水を測り、0.4と読み上げます。次にレタスを育てている水耕栽培の水を測ると0.9で、差の0.5のぶんが溶けている肥料だと説明します。どれだけ肥料が溶けているか、水がどれだけ汚れているかを数字で見るための計器であって、測ってみせてから使い方に入っていく組み立てです。
単位の読み替え: TDSもECも水の電気の通りやすさを測るもので、違うのは単位だけだと述べます。TDSはppm、ECはマイクロジーメンス毎センチメートル。マイクロとミリでは1000倍違うため、同じ水道水が一方の計では254、もう一方の計では0.4と表示され、見た目の数字が食い違う。水耕栽培ではECで見るのが基本だと言います。
使う前の下準備: 安い型は説明書が英語と中国語だけなので、動画が手順を代わりに見せます。電池を入れる向きから始めて、電極部は水道水に30分ほど浸けてなじませると、より正確に読めるとのこと。基板の見えている側は水に弱いのでカバーを付け、水に入れた状態の表示はホールドボタンで固定して読みます。
ずれる前提で: 二本の計を同じ水に入れると値が食い違い、計器やセンサーは値がずれるものだと動画は言います。校正液を使える型なら、12.9と決まった液に浸けてボタンを押せば、その値に戻せる。実際に校正してみると、さきほど0.4と出ていた水道水の表示が0.3に変わり、ずれていたことが分かった、と話は進みます。
ECで足りない所: 校正のできない型については、何本かを並べて読みを見比べることでずれに気づけると提案します。最後に、窒素やカリウムがどれだけあるかまではECでは分からないと断り、そこまで知りたいなら水質検査だと結びます。あくまで相対的に見る道具として使うと便利だ、という着地です。