定植スポンジ
チャンバーと棚
苗の根元をはさんでポットに留める培地です。株を支えるだけでなく、光と霧の通り道をふさぐフタも兼ねます。
何のためのものか
苗の根元をはさんでネットポットの中に留め、同時に穴のすき間をふさぐフタにもなる材です。Lin ら 2024(Scientific Reports)が綿の試験で並べた水耕の側でも、苗はメッシュのカップに入れて水耕用のスポンジで支えられていました。ここが塞がっているかどうかで光が当たった根になるかが決まり、霧と湿気が上へ抜ける量も変わります。
選ぶときに見るところ
切れ込みが入っていて、茎をはさんだあと戻る弾力があるものを選びます。ポットの内径に対してわずかに大きく、押し込むと縁が立つ寸法だとすき間が残りません。Cai ら 2023(Plant Methods)は穴を開けた板の上に食品用のフィルムを張り、その膜で株を支える形も示しています。繰り返し使うならネオプレンのカラーという選び方もあります。
使いかたと手入れ
ここは系の中でいちばん乾く時間が短い場所です。茎に触れたまま濡れ続けると株元が傷みやすく、光が当たれば表面に藻が出ます。定植のときに株元を沈めすぎず、茎の付け根が空気に触れる高さで止め、上から光が入らないように向きをそろえます。使い回すぶんは洗って絞りますが、指で押すと崩れるものや、黒く染まったものは戻さずに替えます。
無いとどうなるか
はさむものが無いと苗はポットの中で傾き、根が片側だけ霧に当たります。株元が濡れたまま動けば株元が黒ずんでぐらつくところへ進みます。穴が塞がらなければ光が下へ入り、根が緑色になって藻がつく状態になります。逆に大きく詰め込みすぎて水を含んだままになると、根元のまわりだけ空気が乏しくなり、根が茶色く変わる方へ寄ります。
解説動画: 【水耕栽培】より簡単に、より楽に、健康に育てるための種まき/スポンジの選び方/容器/水の量/1R農園 / ワンルーム・ベランダで始める家庭菜園
目の粗さで選ぶ: 動画はまず、同じ台所用でも柔らかい型と硬い型で中の目の詰まり方が違うと言います。種をまいてしばらくすると根が出るので、その根が入る隙間があるほうがよく、目が詰まった硬い型は入りにくい。最初から立方体に切れていて使いやすいメラミンスポンジは、目がさらに細かく根がほとんど生えられませんと、外す例に挙げます。
硬い層を落とす: 一枚の中に硬い部分と柔らかい部分があるものは、硬い側を切り落として柔らかい部分だけを使います。はさみだと表面がガタガタするので、縦に引くならカッターがきれいだ、と手つきで見せます。網に入った型は外側の網を切って中身だけ取り出す。そのあと一枚を八等分して、まく単位の立方体にします。
十字の切り込み: 分けた立方体には切り込みを入れます。ここははさみで、上から半分ほどの深さまで縦に一度切り、九十度まわしてもう一度。十字になった細い隙間が種の居場所になります。この隙間に種を植えると乾きにくく、乾燥よけにティッシュをかぶせて後で剥がす手間も省ける、と話し、一つに二、三粒まいておきます。
先に水を含ませる: まく前に、器に水を張ってスポンジをしっかり沈めます。そうしておくとスポンジ全体が水になじんで含みやすくなり、種をまいたとき種まで水が行き渡ると説明します。しばらく浸けたら絞って中の水を捨て、器に水を入れ直してから種を置く、という順番で進めます。細かい種はピンセットでつまむと楽だ、とも添えます。
浸けすぎない高さ: 水は器の五分の一ほどの高さにとどめます。四角い容器にスポンジを敷き詰めて水をあげるだけだと、下側が常に水に浸かった状態になりやすく根腐れが起きます(根が茶色く変わる)。動画はざるつきの器を使って受け皿との間に隙間を作る形を見せます。液肥は本葉が出てからで、それまでは種の中の栄養で足りる、と結びます。