空で起きること図鑑
しぶんぎ座流星群(流星群)
三大流星群の一つですが、極大の山は数時間で過ぎます。活動が短いぶん年ごとの当たり外れが大きく、山が日本の昼間に来た年は同じ空でもほとんど流れません。地球が細い塵の帯を横切り、飛び込んだ数ミリ以下の塵が高さ100km前後の大気を光らせています。粒そのものは地上まで届きません。…
みずがめ座η流星群(流星群)
母天体はハレー彗星で、放射点が低いまま夜が明けます。日本で流れるのは明け方の1時間ほどにとどまり、放射点が高く昇る南半球ではこの群が主役になります。ハレー彗星が軌道に残した塵の帯に、地球が入って起きる流星群です。同じ帯を秋に反対側から通るときがオリオン座流星群で、母天体を共有する二つの群が半年離れて並びます。…
ペルセウス座流星群(流星群)
三大流星群の中では、最も見に行きやすい群です。夜半以降に放射点が高くなり数も多いのですが、夏は夜が短く、極大が月明かりに当たる年も多くあります。公転周期およそ130年のスイフト・タットル彗星が置いていった塵の帯を、地球が毎年8月に横切ります。放射点はペルセウス座の北寄り、ペルセウス座二重星団のすぐそばにあり…
オリオン座流星群(流星群)
母天体をみずがめ座η流星群と共有する、秋の速い群です。ハレー彗星の帯を別の側から通るため飛び込む速さが大きく、そのぶん明るい流星が混じります。ハレー彗星が残した塵の帯を、地球がみずがめ座η流星群とは反対側から通るときに流れます。放射点はオリオン座の北のこん棒のあたり、ふたご座との境に近い位置にあります。…
しし座流星群(流星群)
ふだんは1時間に数個ですが、流星雨になる年があります。母天体テンペル・タットル彗星の公転周期およそ33年に合わせて、桁の違う出現が繰り返されてきました。テンペル・タットル彗星が33年ごとに置いていく塵の帯の中を、地球が11月に通ります。放射点はしし座の大鎌のあたりで…
ふたご座流星群(流星群)
主な流星群の中で最も数が多く、宵のうちから流れ始めます。放射点がほぼ一晩中空に出ているので、夜半まで待たずに見る時間を選べるのがこの群の強みです。母天体が彗星ではなく小惑星フェートン(3200 Phaethon、公転周期1.43年)である点が、この群の成り立ちを分けています。…
皆既月食(食と掩蔽)
月の全体が地球の本影に入っても、真っ暗にはなりません。地球の大気を回り込んだ波長の長い光が影の中へ届くため、多くの場合は赤銅色に染まった月が残ります。太陽と地球と月がこの順に並び、月の全体が地球の本影に入る現象です。本影は太陽の光が地球にすべて遮られてできる影で、月の距離では月の視直径のおよそ2.5倍の広さがあります。…
部分月食(食と掩蔽)
月の一部だけが本影に入る食で、見どころは色ではなく形です。欠け際に落ちた地球の影の丸い縁を、道具なしでそのままたどることができます。月の一部だけが地球の本影に入り、残りは欠けずに明るいままの食です。本影は太陽の光が地球にすべて遮られる影、半影は光の一部だけが遮られる薄い影で…
星食(食と掩蔽)
月が恒星の前を横切り、星が一瞬で消えます。恒星は点にしか見えないため、欠けていく途中がなく、明るいまま光が断たれます。月が地球のまわりを東へ動く途中で、通り道に入った恒星を隠す現象で、月による掩蔽の一つです。国立天文台暦計算室の「暦Wiki」は、月が星をおおい隠すものを星食として扱っています。恒星はあまりに遠く…
惑星食(食と掩蔽)
月が惑星を隠すときは、円がゆっくり欠けます。惑星は面積のある円盤に見えるため、一瞬で消える星食とは違い、潜入に十数秒から一分ほどかかります。月が惑星の手前を通り、その姿を隠す現象です。惑星も月も黄道の近くを動くので、位置がそろった回に重なります。恒星が点にしか見えないのに対し…
国際宇宙ステーションの通過(人が上げた光)
予報の時刻に、予報どおりの方角から現れます。上空を回る有人施設が太陽光を反射して光るので、見えるのは日の入り後と日の出前に限られます。高度およそ400kmを回る国際宇宙ステーションが、太陽の光を反射して明るく見えるものです。自分では光っていないので、機体に日が当たり…
スターリンク衛星の列(人が上げた光)
打ち上げ直後の数日だけ、点が一列に流れます。同じ軌道へ放たれた通信衛星が、それぞれの高度へ上がるまでのあいだ、数珠つなぎのまま空を渡ります。1回の打ち上げで放出された多数の通信衛星が、同じ軌道面に並んだまま飛んでいる姿です。正式には衛星コンステレーションと呼ばれる衛星群の一部で、俗に「衛星トレイン」と呼ばれます。…
人工物の再突入(人が上げた光)
流星に似ていますが、数十秒も流れ続けます。役目を終えた衛星やロケットの上段が大気に落ち、自分が燃えて光るためです。軌道を回っていた人工物が大気に落ち、空力加熱で燃えながら発光する現象です。高度およそ80kmから100kmの空気へ秒速数kmで突っ込むと、圧縮された空気が高温になり、機体は分解して破片になります。…
黄道光(空そのものが光る)
太陽が沈んだあと、黄道に沿って淡い三角の光が立ちます。惑星間の塵が太陽の光を散らしたもので、空の暗い場所でなければ端から見えません。惑星間空間に漂う塵が、太陽の光を散乱して見える光です。日本天文学会の「天文学辞典」は、彗星が放出した物質や小惑星どうしの衝突で生まれた塵による散乱と説明しています。…
低緯度オーロラ(空そのものが光る)
北の低い空が、白っぽくぼんやり明るくなります。写真にはマゼンタの色が写りますが、肉眼で色まで分かることはめったにありません。巨大な磁気嵐でオーロラ帯が低い緯度まで広がり、日本の北の空が淡く染まる現象です。国立極地研究所は2024年に、市民が撮った179点の写真をベイズ推定で解析し、色がマゼンタで…
月暈(空そのものが光る)
月のまわりに、大きな光の輪がかかります。上空の巻層雲に浮かぶ氷の結晶が月の光を屈折させたもので、街明かりの下でも見えます。上空の巻層雲をつくる氷の結晶が、月の光を屈折させてできる輪です。気象庁の「気象観測の手引き」はこれを大気光象の「かさ」に分類し、月の回りにできるものを「月のかさ」と呼んで…